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デハイドロエピアンドロステロンサルフェート(dehydroepiandrosterone sulfate:DHEA-S)は、男性ホルモンの中間代謝産物で主に副腎皮質から分泌され(性腺由来DHEA-Sは1%程度)、その99%以上が硫酸抱合体(DHEA-S)として存在しています。年齢で変動し思春期前に低く、思春期にピークを迎えその後斬減しますが、全年齢層で男子の方が女子よりやや高値となります。
ACTHにより分泌調節されますが、DHEAと比べ血中半減期が約6時間(DHEAの約15倍)と長いので、著明な日内変動を認めないという利点があります。主にCushing症候群の病型判定や副腎皮質機能低下の診断に用いられます。
思春期に月経不順や多毛を示す女性においては、遅発性先天性副腎過形成によるものが認められ、この診断には、ACTH負荷のDHEA-Sの測定が有用です。また、多毛症において副腎または性腺の異常によるものか鑑別するためには、デキサメサゾン負荷でのDHEA-Sの動態を調べます。
検査材料:血清
測定方法:RIA(チューブ固相法)
基準値:単位 μg/dl
男性
20〜29歳 138〜519
30〜39歳 98〜516
40〜49歳 68〜429
50〜59歳 53〜342
60〜 歳 13〜264
女性
20〜29歳 73〜322
30〜39歳 50〜270
40〜49歳 33〜262
50〜59歳 18〜210
60〜 歳 13〜154
・高値を示す病態
Cushing症候群、先天副腎皮質過形成(CAH)、副腎癌(治療奏効で低下)、思春期早発症 など
・低値を示す病態
Addison病、Sheehan症候群、思春期遅発症(ゴナドトロピン単独欠損では低下しない)、Turner症候群、Werner症候群、Klinefelter症候群 など
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