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カテコールアミン(catecholamine:CA)はアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの総称で、交感神経・副腎髄質系より分泌されます。アドレナリンは副腎に存在するphenylmethanolamine-N-methyl transferase(PNMT)によりノルアドレナリンから合成されホルモンとして分泌されます。ノルアドレナリンは交感神経における神経伝達物質として重要でありドーパミンより合成されます。つまりドーパミンはノルアドレナリンやアドレナリンの前駆物質であるとともに中枢神経系において重要な神経伝達物質です。これらは脳、交感神経節、腸管クロム親和性細胞などに広く分布し、それ自体特異な作用を示しています。
カテコールアミン測定は主に褐色細胞腫の診断に用いられます。褐色細胞腫の診断以外では、交感神経系の腫瘍である神経芽細胞腫の診断にも用いられます。
褐色細胞腫はクロム親和性細胞に由来し、カテコールアミンを分泌するホルモン産生腫瘍です。30〜50歳代患者の副腎髄質に好発し、発作性または持続性の高血圧症をきたします。異常分泌されたカテコールアミンにより頭痛、動悸、全身倦怠感、意識障害、不眠などの臨床症状を引き起こします。発作性分泌型の場合は発作時の血中濃度の測定が適していますが、持続性分泌型を示すものでは尿中カテコールアミンの測定値の信頼性が高く、また数日間にわたって尿中カテコールアミンのみが高値になる場合があります。
腫瘍が副腎性の場合はアドレナリン、ノルアドレナリンを分泌し副腎外性の場合はノルアドレナリンを分泌し、通常アドレナリン、ノルアドレナリンの血中濃度は正常値の10倍以上にもなり、尿中では30倍以上にも達することがあります。異常がみられた場合は、カテコールアミンの代謝産物であるVMA、HVA、メタネフリンなどを測定し、その過剰を確認します。特に小児にみられる交感神経芽細胞腫ではVMA、HVAの測定が有用です。
カテコールアミンは血中では遊離型が測定されますが、尿中では遊離型と抱合型の総カテコールアミンが測定されます。
検査材料:EDTA血漿・酸性蓄尿
測定方法:HPLC
基準値:血漿 単位(ng/ml)アドレナリン0.17以下 ノルアドレナリン0.15〜0.57 ドーパミン0.03以下
尿 単位(μg/dey)アドレナリン1〜23 ノルアドレナリン29〜120 ドーパミン100〜1000
・高値を示す病態
褐色細胞腫、交感神経芽細胞腫、うっ血性心不全、腎不全、本態性高血圧
・低値を示す病態
家族性自律神経失調症、起立性低血圧
※血中濃度測定は体位、ストレス、運動などにより安静時の2倍以上にも上昇することがあるので、正確を期すためには20〜30分程度安静臥床の後採血するのがよい。測定の際には、薬物(レセルピンなど)の影響があるので注意する。
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