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抗ミュラー管ホルモン(Anti-Mullerian hormone:AMH)は分子量140kDaのTGF-βsuperfamilyに属する糖蛋白で、男性では思春期までのSertoli細胞で産生され、女性ではその発現は男性と比較すると低値であるものの、出生後から閉経期まで産生されます。
AMH は発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、性周期の影響を受けにくく発育細胞と相関することから、女性の卵巣予備機能を知る指標になると考えられています。
AMHレベルは出生時すでに測定可能で、思春期前では依然低値ですが、思春期を迎えて上昇傾向を示します。成人女性においては加齢に伴い下降傾向を示し、閉経に至る数年以内に測定感度以下に低下することから、閉経時期を推定する良好な指標となります。
これまで卵巣予備機能を評価するために、いくつものマーカーが提唱され、なかでもFSHの上昇、インヒビンB、AFC(antral follicle count:胞状卵胞数)の低下は信頼性の高いマーカーですが、近年卵巣の加齢を評価するマーカーとしてAMHが注目されています。女性の生殖年齢を通して加齢に伴いAMHは低下し、AFCと正の相関を示します。AMH濃度を測定することによって、残存する卵胞の数を測定し、卵巣年齢が何歳くらいか推定することができます。
また、疾患との関連では多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)において高値となることが知られています。
検査材料:血清
測定方法:ELISA
基準値:単位(ng/ml)未設定
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