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ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin:HCG)は胎盤絨毛細胞から分泌される分子量約38kDaの性腺刺激ホルモンであり、αとβの二つのサブユニットからなり、αサブユニットは他の下垂体前葉ホルモンのものと共通です。妊娠によって大量に分泌され、妊娠の診断や絨毛性疾患の管理などに広く用いられます。
現在用いられている高感度な方法では、排卵後10日程度で検出されはじめ、妊娠9〜12週位まで急速に上昇します。画像診断と併せてHCGを測定し、正常妊娠か、胞状奇胎や子宮外妊娠かを鑑別するのに有用です。
胞状奇胎ではHCGは高値を示すがHPLは一般に低値であり、絨毛癌ではβ-HCGが産生されることが多いので同時に測定することが望ましい。
また、最近では絨毛性疾患以外でも、異所性HCG産生腫瘍として卵巣癌、胃癌、肺癌などのマーカーにも使われることがあります。
検査材料:血清
測定方法:FEIA
基準値:単位(mIU/ml)
男性 1.0以下 女性(非妊婦)1.0以下
妊婦
0〜6週 4,700〜87,200
7〜10週 6,700〜202,000
11〜20週 13,800〜68,300
21〜40週 4,700〜65,300
・高値を示す病態:妊娠、胞状奇胎、絨毛癌などの絨毛性疾患、異所性HCG産生腫瘍(卵巣、睾丸、胃、肺、膵)
・低値を示す病態:子宮外妊娠(発症後低下する)、流産、早産、胎児死亡
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