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エストロゲン は、女性ホルモン または 卵胞ホルモン と呼ばれる性ホルモンです。 女性においてエストロゲンの体内での生合成能力は胎盤、卵巣、副腎の順であり、コレステロールからプレグネノロン、アンドロステンジオンを経てエストロン(E1)になり、さらに代謝を受けてエストラジオール(E2)からエストリオール(E3)に変化し、尿中などに抱合体として排泄されます。
エストロゲンの臨床的意義は非妊婦と妊婦で異なります。非妊婦においては卵巣機能の推定や肝臓や副腎の異常で上昇し、これらの臨床診断指標として有用です。
また妊婦では胎児副腎由来のデヒドロステロンスルファート(DHAS)が肝臓で代謝された後、胎盤においてアロマターゼにより芳香化E3となり血中に大量に分泌されます。胎児-胎盤系として知られるように、このE3の代謝が重要な役割を持ち、胎児−胎盤機能が低下するとE3値は低下します。このため妊娠週数に応じた胎児発育の管理や胎盤機能を把握するために有用な指標となります。なお妊婦の尿中に排泄されるエストロゲンの約90%以上がE3です。
男子では慢性肝炎や肝硬変などの肝疾患で高値になることがあり、肝機能やウイルス肝炎の検査結果から総合的に診断されます。
検査材料:蓄尿
測定方法:LPIA
基準値:単位(mg/day)
【妊婦】
32〜36週 15以上
37〜38週 20以上
39〜42週 25以上
【正常妊娠末期の下限値】
危険値 10〜15
要注意値 20〜30
【分娩予定日超過時の下限値】
待機可能値 25〜30
警戒値 15〜20
・高値を示す病態
妊婦:多胎、巨大児
非妊婦:副腎皮質過形成(CAH)、エストロゲン産生腫瘍、多嚢胞卵巣症候群(PCO)
・低値を示す病態
妊婦:子宮内胎児死亡、子宮内胎児発育不全、無脳児、妊娠中毒症、母体の肝・腎障害 など
非妊婦:卵巣機能低下症、閉経後
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