総蛋白・血清蛋白・TP(Total Protein)

栄養状態と肝・腎機能の指標。肝硬変やネフローゼによる低蛋白血症で低下し、脱水や多発性骨髄腫で上昇します。

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総蛋白・血清蛋白・TP(Total Protein)

血漿中の蛋白質は、アルブミンやグロブリン、凝固因子などをはじめとする100種類以上もの成分で構成され、膠質浸透圧の維持や生体の防御機構などに関与しています。
一方、血清中では分離の段階で凝固関連の蛋白が消費されていますが、この段階での総蛋白濃度を通常はtotal proteinと称します。

検査の主な目的はアルブミンの低下の有無、免疫グロブリンの増減、蛋白喪失の有無などです。血清総蛋白値に異常がみられた場合は蛋白分画を検査し、その構成比をみます。セルロースアセテート膜を用いた電気泳動による蛋白分画では、アルブミン、α1分画(α1アンチトリプシンなど)、α2分画(α2マクログロブリン、セルロプラスミン、ハプトグロブリンなど)、β分画(トランスフェリン、βリポ蛋白など)、γ分画(免疫グロブリン)の5成分に分画されます。

血清総蛋白量が8.5g/dl以上を高蛋白血症と呼び、6.0g/dl以下の場合を低蛋白血症といいます。血清総蛋白は20歳代で最も高く、妊娠中は低値になります。また、食事の影響を受ける場合もあります。
検査材料:血清
測定方法:ビューレット法
基準値:単位(g/dl)6.7〜8.3

高値を示す病態
脱水症(各蛋白分画、血算値も上昇)、多発性骨髄腫(γ-分画の単クローン性増加を伴う)
原発性マクログロブリン血症、慢性感染症、膠原病 など

低値を示す病態
ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、肝硬変、栄養摂取不良、吸収不良症候群、熱傷、胸水・腹水の貯留、水疱性皮膚疾患 など

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