レチノール結合蛋白 RBP

血中レチノール(ビタミンA)の特異的輸送蛋白で、肝胆道疾患や腎疾患の病態把握、栄養状態の把握に用いる。

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レチノール結合蛋白 RBP

レチノール結合蛋白(retinol-binding protein:RBP)は血中レチノール(ビタミンA)の特異輸送蛋白であり、主に肝臓で生成されます。腸管より吸収されたレチノールはいったん肝臓に貯蔵され、RBPと結合して血中に分泌されるため、血中ビタミンA濃度は肝のRBP生成能と並行します。また、RBPの生成自体は肝細胞のビタミンAレベルによる調節を受けており、ビタミンAとRBPの動きは多くの場合並行します。

ビタミンAを結合したRBPはさらにプレアルブミンと複合体を形成して標的組織に転送されるが、ビタミンAを組織内に移行させた後にはプレアルブミンから遊離し、腎糸球体の濾過および尿細管での再吸収を経て異化されます

RBPは血中の半減期が12〜14時間と短くプレアルブミンなどと同様に“rapid turnover protein”としての性格を有しています。このため短期間の栄養状態の変動を捉える有用な指標となり、術前の栄養状態の把握などにも用いられます。また、肝胆道疾患や腎疾患の病態把握にも用いられ、前者で血中濃度は減少、後者で増加します。

検査材料:血清
測定方法:LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値:単位(mg/dL) M 2.7〜6.0  F 1.9〜4.6

・透析患者における検査の意義
腎不全患者では糸球体濾過機能の低下に伴ってRBPが著明な高値を示します。血中RBP値の上昇は遊離型RBPの増加によるものであるため、ビタミンAとのモル比が変動します(正常者の血中RBP/レチノール比は約1.2)。尿細管障害では再吸収機能障害のため、尿中にRBPが排泄されるようになります。

・高値を示す病態:過栄養状態(脂肪肝、高脂血症)、腎不全
・低値を示す病態:ビタミンA欠乏症、吸収不良症候群、重症肝障害、閉塞性黄疸、甲状腺機能亢進症、感染症、外傷 など

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