マグネシウム(Mg)

種々の酵素の補助因子として作用し、生体代謝調節に重要な役割を担う必須微量金属

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マグネシウム(Mg)

マグネシウム(magnesium:Mg)は、種々の酵素の補助因子として作用し、生体代謝調節に重要な役割を担う金属です。特に虚血性心疾患、不整脈、高血圧、脳血管障害とMg欠乏との関係を示唆する報告が多くあります。一方、高Mg血症は腎機能障害例に生じ、カルシウムをはじめとする電解質代謝に異常をきたし、腎性骨異栄養症に関与します。

血清Mgは、男性が女性よりわずかに高値を示し、加齢による上昇のほか、日内・日差・季節変動も認められますが、いずれも基準範囲内に留まります。

尿中Mgは、生体全体の代謝状態をよく反映しますが、人種、食習慣、飲料水などで異なります。睡眠時に減少し、午前中後半に最大となります。生体内Mgの99%は細胞内で占められます。このため、採取容易な赤血球が多く用いられます。しかし赤血球は無核のため、赤血球生産時のMg代謝を示し検査時の状態を反映しない可能性があります。

なお、マグネシウム欠乏状態ではマンガンも欠乏しやすく、このため両者を視野に入れた検索が推奨されます。

検査材料:血清
測定方法:酵素法
基準値:単位(mg/dl)1.9〜2.5
尿中マグネシウム基準値
0.02〜0.17 g/day

高値を示す病態
腎機能低下、急性・慢性腎不全
・Mg負荷:下痢、透析液
・腸管での吸収亢進:ビタミンD、リチウム
・腎再吸収亢進:甲状腺機能低下症、アジソン症

低値を示す病態
蛋白栄養不良症、飢餓、偏食、Mg欠乏輸液などによる摂取不足
・吸収障害:吸収不全症候群、小腸切除後
・体液疾患:長期消化液吸引、重症下痢、下剤乱用
・排泄増加:ループ利尿剤、急性腎不全利尿期
・急性膵炎:リン酸欠乏

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