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カリウム(K)はナトリウム(Na)と反対に主として細胞内液に多く存在します。血清中にも一定量存在しますが、その濃度は神経や筋肉の興奮性に関与し、特に心筋に大きな影響を及ぼします。
血清カリウム値は血清と細胞内、血清と体外のカリウムの移動で平衡状態が保たれています。したがって、下痢・嘔吐による喪失や腎からの排泄促進で低カリウム血症をきたし、また、腎不全などカリウム排泄障害や細胞からの放出によって高カリウム血症をきたします。
なお、カリウムは保存状態の影響を受け易いので注意が必要です。
検体の保管状況により検査値に次のような影響をあたえます。
・採血後直ちに血清分離・室温放置した場合でも72時間で0.5%の低下がみられます
・採血後分離せずに室温放置した場合、12時間で血清・血漿共に低下し、24時間後著しい増加(検査材料として不適)
・採血後全血を4℃冷蔵放置した場合、明らかな増加(検査材料として不適)
赤血球カリウム濃度は血清中より30〜40倍高く、また冷蔵保存では赤血球膜の能動輸送の低下により赤血球内から大量のカリウムが遊出します。従って溶血や全血のままでの冷蔵保存は高値となります。検体を提出する際は、一定の保管状況でないとバラツキの原因になります。
検査材料:血清
測定方法:電極法
基準値:単位(mEq/l)3.5〜5.0
※溶血の場合、あるいは全血での冷蔵保存は高値となります。採血後、速やかに血清を遠心分離して下さい。
高値を示す病態
保存血の輸血や輸液による過剰注入、カリウムの過剰経口投与、生体内および生体外溶血、アシドーシス、腎不全、乏尿、無尿、組織壊死(糖尿病のときのインスリン欠乏、外傷や火傷など)
低アルドステロン症(アジソン病、下垂体機能不全、抗アルドステロン剤の連用)
低値を示す病態
カリウム摂取不足、代謝性アルカローシス・糖尿病性アシドーシスの回復期、周期性四肢麻痺、嘔吐・下痢、アルドステロン症(副腎皮質の腫瘍や過形成)、クッシング症候群、肝硬変、ネフローゼ、本態性高血圧、Bartter症候群など、多尿、利尿剤投与時
尿中カリウム基準値
0.9〜3.0 g/day
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