アスペルギルス抗原 検査結果の判定に関する注意

アスペルギルス抗原検査を行った際の結果判定は、次の点に注意してください。

スポンサードリンク

アスペルギルス抗原 検査結果の判定に関する注意

アスペルギルス抗原検査を行った際の結果判定は、次の点に注意してください。
1)侵襲性アスペルギルス症の診断は、本検査の結果のみではなく臨床症状や培養検査、病理学的検査、画像診断などの結果を加味し総合的に行ってください。
2)陽性と判定された場合には、再採血を行った検体にて再測定を実施することをお勧めします。
3)臨床症状がなく陽性と判定された場合には次の状況が考えられます。
・感染初期に、臨床症状や画像所見等よりも先にアスペルギルス抗原(ガラクトマンナン)が陽性となることがあります。
・ガラクトマンナンは豆や種子等に多く含まれており、食物繊維としても種々の食物に添加されています。また、わが国では多くの食品(味噌・醤油など)でコウジカビ(アスペルギルス属)を使用しています。乳幼児や消化管粘膜に損傷のある患者では食物の影響により陽性を示す可能性があるとの報告がありますので注意して診断してください。

・海外でピペラシリン/タゾバクタムの合剤の投与により、測定結果が陽性を示したという報告があります。同薬剤で治療されている患者においては判定の際に注意が必要です。
・ペニシリウム属等の菌種では交差反応性が認められます。また、Penicillum marneffeiによる侵襲性真菌症の患者検体で陽性となったとの報告があります。
4)抗真菌薬の投与を受けている患者では、検体のガラクトマンナン濃度が低くなることがあります。
5)慢性肉芽腫症の患者では、検体のガラクトマンナン濃度が低かったとの報告があります。
6)陰性と判定された場合でも、侵襲性アスペルギルス症の可能性は否定できません。検体中の抗原濃度が、試薬の検出できる濃度に達していなかった可能性もあります。
7)自己免疫性疾患患者の血清では、非特異性反応が起こりうるので測定結果に基づく診断は他の検査結果や臨床症状を加味して総合的に判断してください。

▽アスペルギルス抗原 検査結果の判定に関する注意 のキーワード

▽次の記事、前の記事

低侵襲のたるみ治療 フォトRF リファーム ウルセラシステム | β-D-グルカン 真菌感染症のスクリーニング

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAP:新着記事

新規保険収載 デングウイルス抗原定性
デングウイルス抗原定性検査は、国立感染症研究所が作成した「デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン」に基づきデング熱を疑う患者が、当該患者の集中治療に対応できる保険医療機関に入院を要する場合に限り算定できます。
DIC播種性血管内凝固の新診断基準 日本血栓止血学会2014
日本血栓止血学会は、厚生労働省DIC診断基準を修正したDIC診断基準暫定案を発表しました。アルゴリズムで、DICを「造血障害型」「感染症型」ならびに「基本型」の3つの病型に分けています。
新規糖尿病治療薬SGLT2阻害薬の効果と副作用
新規糖尿病治療薬sodium glucose co-transpoter2(SGLT2)阻害薬はインスリン作用を介さずに腎尿細管を標的とした薬剤です。
メタボロミクスによる癌診断
メタボロミクスは、有機酸、アミノ酸、脂肪酸、糖などの多種多様な低分子量代謝産物(メタボローム)を対象とした研究です。
膵グルカゴン 完全長膵グルカゴンを特異的に測定
完全長の膵グルカゴンを特異的に測定する研究検査項目です。
IgGサブクラスIgG2
IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。
後天性血友病 APTTクロスミキシング試験
後天性血友病インヒビターの存在を知る簡便な方法としてAPTTクロスミキシング試験があります。
血液検査で癌の早期発見ができる miRNA検査
たった1滴の血液から、13種類もの癌を早期に発見できる・・これまでの常識を覆す、画期的な検査方法がミクロRNA(miRNA)検査です。
認知症を予防する MCIスクリーニング検査とは
MCIスクリーニング検査 とは、軽度認知障害(MCI)の兆候を早期に発見できるバイオマーカーを使用した血液検査です。
LOXインデックス 脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク予測
LOX-index(ロックス・インデックス)は、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標です。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint