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ペリオスチンは、マトリセルラー蛋白質と呼ばれる細胞外マトリックス蛋白質の一種であり、結合組織の構成成分としての機能と、受容体に結合し細胞にシグナルを入れる機能とを併せもっています。IL-4/IL-13やTGF-βなどのサイトカイン刺激で発現が誘導され、TH2または線維化を示すバイオマーカーです。
気管支喘息の病態において、ペリオスチンはIL-4/IL-13依存性に誘導され、肥厚した基底膜の構成成分となります。吸入ステロイド(ICS)治療中の気管支喘息患者を対象としたKiHACスタディでは、末梢血好中球数と好酸球数により患者を4つのクラスターに層別化すると、高齢発症で好酸球優位および呼吸機能予後不良であるクラスター3において、血清ペリオスチン濃度の低い群では1秒率(FEV1)の低下はごく軽度であったのに対し、血清ペリオスチン濃度の高い群ではFEV1が大きく低下していました。すなわち、クラスター3に含まれる患者の中で血清ペリオスチン濃度が高い者は、ICS低感受性であることが明らかとなりました。これは血清ペリオスチンがICS低感受性および呼吸機能予後を予測できるバイオマーカーとなりうることを意味しています。
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)は原因を特定できない間質性肺炎の総称であり以下の7疾患に分類されます。
1)特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)
2)非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia:NSIP)
3)特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia:COP)
4)呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患(respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease:RB-ILD)
5)剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia:DIP)
6)リンパ球性間質性肺炎(lymphocytic interstitial pneumonia:LIP)
7)急性間質性肺炎(acute interstitial pneumonia:AIP)
このうち頻度的にはIPF、NSIP、COPがほとんどを占め、喫煙との関連が高いとされるRB-ILD、DIPがそれに続きます。LIPは血液疾患に伴うものが多く、原因が特定されないAIPと同様、臨床上極めて稀です。
間質性肺炎は、さまざまな原因から肺胞壁に炎症をおこし、壁が厚く硬くなり(線維化)、呼吸をしてもガス交換ができにくくなる病態をいいます。肺胞壁は保たれていても、肺の小葉を囲んでいる小葉間隔壁や肺を包む胸膜が厚く線維化して肺が膨らむことができなくなります。線維化が進んで肺が硬く縮むと蜂巣病変といわれるような穴(嚢胞)ができ胸部CTで確認されます。
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