尿NAG 腎病変の早期発見に有用

尿NAGは前立腺と腎に含まれる加水分解酵素で、 尿細管障害の早期発見、腎移植後の経過観察や上部尿路感染の指標になります。

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尿NAG 腎病変の早期発見に有用

NAG(N-acetyl-β-D-glucosaminidase)は分子量が11.2〜12.6万と推定されるリソゾーム中に含まれる加水分解酵素で、非還元性の2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコース残基に作用するグルコシダーゼの一種です。
NAGは前立腺と腎、特に近位尿細管に多く含まれていて、分子量は比較的大きいため、血清中のNAGは通常尿中にはほとんど排泄されません。

NAGは腎尿細管や糸球体障害で尿中に出現し、とくに尿細管障害の軽い時期、すなわち試験紙法で尿蛋白が陰性の時期から尿中に逸脱するといわれているため、腎病変の早期発見に有用です。また鎮痛剤など薬物による腎障害、腎移植後の経過観察や上部尿路感染の指標としても用いられます。

pH8以上のアルカリ尿、およびpH4以下の酸性尿でNAGは失活し、見かけ上低値になります。また室温保存でも1〜2日で活性が半減するので、冷蔵または冷凍保存が必要です。
尿中NAG活性は朝高く、日中から夜間にかけて低くなる傾向があるため冷暗所に24時間蓄尿するか早朝尿で測定することが望ましい。

検査材料:尿
測定方法:人工基質MPT法
基準値:単位(U/l)11.5以下

高値を示す病態
ネフローゼ症候群、急性腎不全、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、薬物による腎障害、間質性腎炎、有機溶媒・重金属中毒による腎障害
(精液混入で高値を示すことがある)

低値を示す病態 低値側の臨床的意義は少ない

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