運動後急性腎不全 ALPE

短時間の無酸素運動後に発症する非ミオグロビン尿性の急性腎不全が報告され、ALPEと名付けられました。このALPE発症患者の57%が腎性低尿酸血症を呈しており、危険因子として注目されています。

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運動後急性腎不全 ALPE

運動誘発性の急性腎不全として、マラソンや登山などの激しい長時間運動後に横紋筋融解を引き起こし、血清クレアチンキナーゼ(CK)ミオグロビンの上昇を伴うミオグロビン尿性急性腎不全が広く知られていますが、近年、短時間の無酸素運動後に発症する非ミオグロビン尿性の急性腎不全が報告され、その臨床的特徴からacute renal failure with severe loin pain and patchy renal ischemia after anaerobic exercise(ALPE)と名付けられました。このALPE発症患者の57%が腎性低尿酸血症を呈しており、危険因子として注目されています。

ALPEは、トラック競技・サッカー・競泳といった短時間の無酸素運動後に起こり、平均発症年齢は22歳で、男性の割合が93%と圧倒的に高く、運動前に風邪薬や解熱剤を内服していた者が全体の34%を占めています。症状は、悪心・嘔吐・発熱とともに激しい腰背部痛を訴えることが多く、急性膵炎や尿路結石と間違えられやすいため注意を要します。
ALPEでは、血清CKとミオグロビンは正常範囲か軽度の上昇に留まり、褐色尿はみられません。造影剤投与後のdelayedCTで楔形斑状の造影効果がみられ、腎内局所の血管攣縮による虚血を反映しています。約20%に一時的透析を要しますが、大半は保存的加療のみで2〜3週間以内に腎機能の回復が得られます。再発も20%にみられ、ALPEが顕在化せず繰り返されている可能性もあります。

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