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RI内服療法は、ガンマ線やベータ線などを出す放射性同位元素(RI)を注射や経口薬で体内に入れて、腫瘍などの病巣に放射線を浴びせて破壊する治療法です。薬剤が特定の部位に集まって治療するため、副作用が軽いのが特徴です。病巣が散らばっていたり、画像診断では見つけにくい小さな転移がある場合や、手術や放射線の外部照射では治療しきれない場合に特に有効です。
国内で保険承認されているRI内用療法には次のものがあります。
1)放射性ヨウ素131:経口薬。甲状腺機能亢進症と甲状腺癌が対象で、ベータ線とガンマ線を出す。副作用が少ないメリットがありますが、甲状腺癌の場合は、1週間RI治療病室に入院が必要で、専門施設は全国に160床程度しかないため、すぐに治療開始することはできません。
2)放射性ストロンチウム89(メタストロン注):注射薬で、がんの骨転移による疼痛が対象です。ベータ線を出す。副作用が少なく、外来でも治療可能ですが、白血球や血小板が減少することがあるので、定期的な血液検査が必要です。
3)放射性イットリウム90(ゼヴァリン):注射薬。悪性リンパ腫が対象です。ベータ線を出す。副作用は少ないが、白血球や血小板が減少することがあるので、定期的な血液検査が必要です。
・ゼヴァリンによるRI標識抗体療法
ゼヴァリンによるRI標識抗体療法の標識抗原となるCD20抗原は、Bリンパ球の細胞表面に発現している約35kDaの細胞膜貫通型蛋白であり、B細胞の成熟と分化に関連していると考えられています。CD20抗原は、
1)他の既知の蛋白との相同性を有していない。
2)成熟B細胞および大半のB細胞性リンパ腫のみに高密度に存在し、造血幹細胞、pre-pre(pro)B細胞、正常形質細胞やB細胞系のヒト細胞では認められない。
3)B細胞性リンパ腫の90%以上とB細胞性白血病の50〜90%で検出されている。
4)遊離蛋白質として血液中を循環することはない。
5)抗体と結合した後も内在化しない。
などの特徴を有しています。また、CD20抗原を標的とした治療では、造血幹細胞あるいはproB細胞を標的としないため、正常B細胞は造血幹細胞およびproB細胞より再び分化し増殖することができ、恒久的なB細胞の枯渇を引き起こさないと考えられています。また、形質細胞は「ゼヴァリンによるRI標識抗体療法」後も生存可能であるため、免疫グロブリンが引き続き生成されます。これらのことからCD20抗原はB細胞性非ホジキンリンパ腫治療の為のRI標識抗体療法の標的抗原として適切であると考えられています。
ゼヴァリンによるRI標識抗体治療を受けられる医療機関はこちらから
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