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ファーマコゲノミクス(phamacogenomics:PGx)とは、薬物応答と関連するDNAおよびRNAの変異に関する研究をいいます。PGx検査は、PGxに基づくバイオマーカーを検査して利用し、薬物治療において薬物作用機構の理解、対象標的の変動モニタリング、効果と安全性の評価、投薬の量とスケジュール調節、患者選択、予後推定などに用います。新たなコンセプトとして、併用(companion)薬物の適切な選択、副作用予測と投与量調節など利益が得られる患者群を同定し、合理的な治療薬開発と利用に有利な情報を提供するコンパニオン診断が注目されています。PGx検査またはコンパニオン診断に基づく治療の個別化は、科学的根拠に基づく計画的治療、患者負担軽減による医療の質や効率向上につながるものと期待されています。
バイオマーカーとは、血清や尿などの体液および組織に含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標となるものであり、その量を測定することで疾病の診断や効率的な治療法の確立するものです。前立腺癌の血清PSA値、肺癌および大腸癌におけるEGFR遺伝子やK-ras遺伝子変異など、様々なバイオマーカーが実際の診断や治療の選択に使用されています。近年、マイクロアレイ解析や質量分析器に代表される網羅的ゲノムおよびプロテオーム解析技術の進歩により、疾患特異的に変化し、血液などの体液中に分泌される疾患関連蛋白質を網羅的に探索することが可能になってきており、オーダーメイド治療の可能性を広げています。
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