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日本の三大生活習慣病である、癌・心筋梗塞・脳梗塞のうち、病気診断の基準となる有用なバイオマーカーが存在しないのは脳梗塞のみです。その脳梗塞および小さい無症候性脳梗塞のバイオマーカーとして血漿中蛋白質抱合アクロレイン(Protein conjugated acrolein:PC-Acro)測定の開発が進んでいます。
細胞障害物質アクロレインは、細胞増殖必須因子ポリアミン(2価カオチン・プトレスシン・3価カオチン・スペルミジンおよび4価カオチン・スペルミンよりなる)が代謝される過程で産生されます。
このアクロレインが現在考えられている細胞毒性物質である活性酸素より毒性が強いことに基づいて、アクロレインが脳梗塞のバイオマーカーになりうるかの検討がされました。
アクロレインは反応性が高いため、血漿中では蛋白質抱合アクロレインとして存在しています。このアクロレインがアクロレイン産生酵素であるポリアミンオキシターゼとともに、脳梗塞患者の血漿中で有意に上昇することが報告されました。
さらに、小さい無症候性脳梗塞(silent brain innfarction:SBI)がみつかると脳卒中になる確率が10倍上昇することも報告されており、アクロレインを測定することにより、SBIを診断できるかの検討もされています。その結果、アクロレインだけでは精度が十分ではなく、炎症マーカーであるインターロイキン6(IL-6)およびCRPとともに測定すると、SBIを85%の確立で見出すことができると結論づけています。
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