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ヒトが放射線に被曝するとどのような影響がでるのでしょうか。これは確定的影響(deterministic effect)と確率的影響(stochastic effect)に分けることができます。
確定的影響は、比較的高線量(100〜数千mSv以上)の放射線を被爆した後、数時間から数ヶ月で出てくる影響(髪が抜ける、子供が産めなくなるなど)です。これらの影響は、臓器を構成している細胞が被爆によって相当数死滅することが原因でおこります。また白内障も確定的影響です。確定的影響の特徴は、被曝量がある値を超えて初めて症状が出現することで、この値を「しきい値」といいます。一番小さな「しきい値」は男性の一時不妊で、100mSvです。
一方、確率的影響は、100mSv以下の低線量でも発生することが否定できない影響であり「しきい値」がないと考えられています。発癌と被曝したヒトの子孫に現れる遺伝性(継世代)の影響が含まれ、細胞に発生した突然変異や染色体異常が原因です。
しかし、多くの疫学調査の結果は、高線量域では発癌リスクの増加が認められるものの、100mSv程度の低線量域では不確かさが大きく、リスクはゼロではないと考えられるが、統計的に有意な差が認められていない事が多いようです。また遺伝性の影響については、実験動物やハエなどでは観察されていますが、ヒトでは観察されていません。
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