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1995年から3年間にかけて、動脈硬化性疾患の要因について勤労者を
対象にした研究が行われました。これにより高コレステロール血症も
リスクになっていますが、それよりも高トリグリセライド(中性脂肪)
血症・耐糖能異常・高血圧・肥満のうち3個以上合併した場合の危険率
がコントロールの30倍以上にも達することがわかり、一個人に多くの
リスクが集積する病態、マルチプルリスクファクター症候群が動脈硬
化性疾患の背景として大きな位置を占めることが確認されました。
これを受けて2001年より「死の四重奏」という病名で血管病の二次検
診や健康指導・食事指導・運動指導を無料で行える制度をスタートさ
せました。「死の四重奏」とは肥満・糖尿病・高脂血症・高血圧の4
つの病態をバイオリン・ビオラ・チェロの四重奏にたとえ、四重奏の
音楽が奏でられるなか、患者は心血管疾患を発生し一歩一歩墓場へ向
けて進んで行く危険性を強調したものです。
世界的に過栄養と運動不足を背景として心血管病の予防対策の重要性
がますます強くなる中、米国の心臓病専門家や国際糖尿病連合(IDF)
を中心とする糖尿病専門家の間でこのような病態の重要性が強調され
たが、それぞれ独自の診断基準を策定していたため少なからぬ混乱が
生じていました。
そこでこの混乱を解消する為に2004年5月からIDFが各国に呼びかけて
メタボリックシンドロームの定義と診断基準について会議が開かれ、
そのキープレイヤーとしてインスリン抵抗性を重視するのか、あるい
は内臓脂肪を重視するのか議論が行われた。最終的に内臓脂肪の重要
性が確認されて、それを必須項目とした診断基準が設定され2005年4月
ベルリンで行われたメタボリックシンドロームに関する国際会議中に
発表されました。
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