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メタボリックシンドロームの診断には内臓脂肪蓄積量の測定が必須
ですが、現在のところ内臓脂肪量を直接測定する方法はありません。
多くの測定法は内臓脂肪蓄積量を推定する方法で、腹部周囲径・CT
・MRI・BIA・腹部超音波法などがあります。
測定方法の簡便性、使用目的、妥当性を考慮して最適の方法を選び
ます。
1)腹部周囲径の測定
メジャーがあれば測定できるので、検診でよく使われます。
日本ではへそレベルで測定した腹部径と、腹部CTにより測定した
内臓脂肪面積との間に直線的な相関があると認められています。
この相関は男女ともに認められ、内臓脂肪面積100cuに相当する
腹部周囲径が男性85cm、女性で90cmであるところから内臓
脂肪蓄積が疑われる腹部周囲径を男性85cm・女性90cm以上
としています。
男性より女性の基準値が5cmも大きいことについては、女性では
内臓脂肪とともに皮下脂肪がついてくるためです。一方男性では、
内臓脂肪のみが蓄積することが多いからだとされています。
測定方法は、両足を揃えて立ち、両腕を自然に垂らし、自然呼気終
末に へそレベルにメジャーを床と平行に巻き、計測します。
大きくお腹のせり出したひとの場合、へそ自体が下に垂れているの
で肋骨弓下線と上前腸骨突起部(骨盤の上のあたり)を結ぶ線の中
間点の腹部周囲を計測します。
きつくくい込まないように注意。また食事の影響を受けないように
空腹時に計測。
2)CT(Computed Tompgraphy)
CTはコンピュータによる断層撮影です。X線の発生部分とX線を
検出する部分が対向にセットしてあって、回転しながらX線を照射
し、人体を透過したX線の量をコンピュータで解析して、断層画像
として表示し診断を行う為の機械です。
CTでへそレベルでの1スライスを撮影し、その画像をソフトウェ
ア「Fat Scan」で解析します。検査時間は5分程度です。
3)MRI(Magnetic Resonance Imaging)磁気共鳴画像
MRIは X線を使用せず撮影には磁場と高周波を使用しています。
体内の各組織に分布している水素原子の磁気共鳴現象を利用して、
コンピュータで画像を作成しますが、X線CTでは得られない縦や
斜めの断層像を得ることもできます。
4)BIA(Bioelectrical Inpedance Analysis)
BIAとは体の電気抵抗値(生体インピーダンス)を測ることで脂
肪量や推定筋肉量などの体組成を測定する方法です。体の中では、
脂肪は殆ど電気を通しませんが、筋肉に多く含まれる水分は電気を
通しやすい傾向があります。電気の通りにくさを電気抵抗といいま
すが、この抵抗を測ることで脂肪とそれ以外の組織の割合を推測す
ることができます。
5)腹部超音波法
簡便な内臓脂肪蓄積量の評価法として、超音波法があります。腹部
に超音波をあて断画像を得る方法ですので、内臓脂肪量の測定には
適当ではありません。内蔵脂肪量との相関が得られているものとし
て、肝臓の前面にあたる腹膜上の脂肪の厚さ(PFT:preperito
neal fat thickness)の測定と、腹壁脂肪指数(AFI:abdominal
fat wall indx)を求める方法があります。PFT・AFIいずれも
CTで測定した内臓脂肪面積と正の相関があることが示されています。
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