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近年注目されているT細胞にかかわるサイトカインとしてIL-12、IL15、IL-17、IL-23、IL-32があります。
1)IL-12
IL-12はp35およびp40の2種類のサブユニットから構成されるサイトカインで、樹状細胞(demdritic cell:DC)、マクロファージから産生され、TH1細胞分化を誘導します。IL-12は受容体を通じて細胞内にシグナルを伝達し、転写因子STAT4を活性化します。抗IL-12モノクローナル抗体を用いた臨床試験がクローン病、乾癬で進められており、有効性が期待されています。
2)IL-15
IL-15はマクロファージ、DC、線維芽細胞、上皮細胞などが産生し、T細胞とNK細胞の分化と成熟、マクロファージおよびDC活性化、血管内皮細胞遊走などを促進し、RAをはじめとする多くの疾患との関連性が報告されています。IL-15は、IL-15受容体α鎖、IL-2/15受容体β鎖、commonγ鎖から構成されるIL-15受容体を介してシグナルを伝達し、STAT3およびSTAT5を活性化します。完全ヒト化抗IL-15抗体(AMG714)の探索的試験ではRAに対する有効性が示されています。
3)IL-17
IL-17は17kDaの蛋白で少なくともA〜Fのホモログが存在し、メモリーT細胞によって産生されます。その受容体は多様な細胞と組織に発現され、IL-17は造血(特にgranulopoiesis)、血管内皮活性化、破骨細胞活性化、白血球遊走などの機能を持ち、IL-1,TNF-α、IL-8、MIP-1α(macrophage inflammatory protein-1α)、MMP(matrix metelloprotenase)、RANKL発現などを誘導します。IL-17産生T細胞はTH17と呼ばれ、関節炎動物モデルでは最も重要な炎症性サイトカインの一つとして位置づけられ、ヒトRAの病態における研究が活発に進められています。
4)IL-23
IL-23はIL-12と共通のp40およびp19の二つのサブユニットで構成されるサイトカインです。ナイーブT細胞から分化誘導されたTH17の増殖に関与します。その受容体はIL-12受容体β1およびIL-23受容体の二つのサブユニットで構成されます。
5)IL-32
Il-18単独で誘導される遺伝子として単離されたnatural killer cell transcript4が、炎症性サイトカインの性質を持つことが明らかになり、IL-32と命名されました。IL-32は少なくとも六つのsplice variantを持ち、リンパ系細胞、上皮系細胞に発現します。IL-32はNFκB活性化、MAPkinase活性化を誘導します。
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