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近年、オーラルケアへの関心の高まりとともに、口臭で悩む人が増大しています。多くの大学病院では口臭外来が開設され、一部の歯科医院では口臭測定を行っているところもあります。
口臭とは、第三者が不快に感じる口腔内や呼気から出される悪臭と定義され、この臭いは鼻腔の奥にある鼻粘膜の嗅細胞によりキャッチされ、大脳に伝えることで認識されます。臭覚はその時の体調や気分、感情などによって変化し極めて主観的なものです。そのため同じ臭いでも感じ方が異なったり、たとえ口臭があったとしても嗅覚疲労により自分の臭いを正確にキャッチできないこともあります。
●口臭症の分類
1.真性口臭症:社会的容認限度を超える明らかな口臭が認められるもの
1)生理的口臭
器質的変化、原因疾患がないもの(ニンニク摂取などの一過性のものは除く)。その原因の多くは口舌背後方部における細菌の腐敗作用で、口臭の60%が舌苔から産生されています。その他に起床時口臭、空腹時口臭、緊張時口臭、加齢に伴う口臭、乳児や小児に特有な口臭などがあります。
2)病的口臭
・口腔由来の病的口臭:口腔内の原疾患、器質的変化、機能低下などによる口臭(舌苔・プラークなどを含む)
・全身由来の病的口臭:耳鼻咽喉、呼吸器系疾患など
2.仮性口臭症
患者は口臭を訴えるが、社会的容認限度を超える口臭は認められず、検査結果などの説明(カウンセリング)により改善が期待できるもの。
3.口臭恐怖症
真性口臭症や仮性口臭症に対する治療では訴えが改善できないもの。
●口臭の原因物質
揮発性硫黄化合物(volatile suifur compounds:VSC)
多くの場合、舌苔や歯周ポケットなど口腔内のあります。VSCは口腔内細菌の有する蛋白分解酵素による腐敗作用によって含硫アミノ酸であるシステインおよびメチオニンを基質として産生する代謝産物です。
VSCには多くの化合物がありますが、硫化水素(H2S、腐敗卵様臭)メチルメルカプタン(CH3SH、野菜腐敗臭)ジメチルサルファイド(ゴミ臭)の3つが代表的です。その他にメチルアミン・ジメチルアミン(魚臭あるいは生臭さ)プロピオン酸・絡酸・イソ吉草酸などの脂肪酸(チーズ臭、酸味臭、靴下のむれた臭い)インドール・スカトール(糞臭)カダペリン(カビ臭)などが口臭の原因物質としてあげられます。
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