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Dダイマー は、深部静脈血栓症 (Deep vein thrombosis:DVT)診断に利用されている有用な検査項目です。Dダイマー がカットオフ値を超える場合には DVT の精査として静脈エコーの実施が第一選択とされていますが、これらの検査に先立って外来で行われる問診(血栓性合併疾患の既往歴、手術や職業暦、妊娠や分娩)と身体所見がスクリーニングの参考になります。
また、PTPスコア によるリスク分類とDダイマーのカットオフ値を組み合わせることで DVT の診断効率が向上します。特に PTPリスク が低い患者のDVT除外効率が向上し、超音波検査の症例数を軽減することが可能になります。
PTPスコア
Wellsらは、患者容態を内容とする質問票によるPTP(Pretest Clinical Probability)スコアを考案。PTPスコアはDVTの確立を評価するもので、陽性所見にそれぞれ1ポイントを加算して、その合計ポイントでDVT罹患確立を3つのリスク群に分類します。
次の臨床的な特徴があれば1ポイント
・活動性の癌
・麻痺、不全麻痺、下肢のギプス固定
・最近(4週間以内)の手術あるいは長期(3日を越える)臥床
・下肢の圧痛
・下肢の腫脹
・下肢の左右差が3cm以上
・下肢の表在静脈(側副血行路の有無)
また、DVT以外の疾患がより疑われる場合はマイナス2ポイント
高リスク:スコア3点以上
中リスク:1または2点
低リスク:0または0点以下
静脈血栓塞栓症は、肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism:PE)と深部静脈血栓症(Deep vein thrombosis:DVT)を併せた疾患概念です。
下肢や上腕その他の静脈(大腿静脈など)に血栓が生ずる疾患で、原因としては脱水、感染、旅行・長期臥床・手術などによる血流鬱滞、抗リン脂質抗体症候群などがあります。この血栓が血流に乗って肺へ流れ肺動脈が詰まると、肺塞栓症となります。肺動脈が詰まるとその先の肺胞には血液が流れず、ガス交換ができなくなるため、換気血流不均衡が生じ動脈血中の酸素分圧が急激に低下、呼吸困難をきたします。また肺の血管抵抗が上昇して全身の血液循環に支障をきたすようになります。軽度であれば胸やけや発熱程度で治まりますが、死亡する場合もあります。
深部静脈血栓症は、深部静脈(大腿静脈・膝窩静脈など、体の深部にある静脈)に血栓が出来る疾患をいいます。肺血栓塞栓症の主な原因であり、肝静脈に血栓が出来るとバッド・キアリ症候群を起こします。
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