フォン・ウィルブランド因子定量 第VIII因子様抗原

止血機構および凝固亢進調節にかかわる高分子蛋白。von Willebrand病では減少する。

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フォン・ウィルブランド因子定量 第VIII因子様抗原

フォン・ウィルブランド因子（von-Willebrand factor:vWF）とは別名、第VIII因子様抗原といわれるもので、分子量270kDaの糖蛋白です。主に血管内皮細胞で産生され、血中に放出されます。速い血流状態において血小板と血小板が結合する（血小板凝集）際や、血管壁損傷時に血管内皮細胞下組織のコラーゲンと血小板の結合（血小板粘着）の際に糊のような働きをし、一次止血反応を行う役割を果たしています。
von Willebrand病（vWD）とは、紫斑、鼻出血、歯肉出血、粘膜出血などの表在性出血を主徴とする疾患で、多くは常染色体性優性遺伝の形式をとります。vWFの低下と血小板機能の低下がみられ、検査所見では第VIII因子凝固活性の低下（PT正常、APTT延長）、vWFの低下、リストセチンによる血小板凝集能の低下がみられます。

一方vWD以外に、低値をきたす疾患群として後天性vWF異常症があります。自己免疫疾患や慢性骨髄増殖性疾患においてみられ、vWFを構成するサブユニットの重合異常、特に高分子マルチマーの低下が認められます。

検査材料：クエン酸血漿
測定方法：LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値：単位（％）50〜150

・高値を示す病態
肝炎、肝硬変、腎疾患、ネフローゼ症候群、川崎病急性期、DIC

・低値を示す病態
von Willebrand病、自己免疫性疾患、慢性骨髄増殖性疾患（真性多血症、本態性血小板血症など）

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