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ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-Induced Thrombocytopenia:HIT)はヘパリン投与患者におこる副作用で、免疫機序を介して血小板減少症、動静脈血栓塞栓症を引き起こす重篤な病態です。
ヘパリンは、血液透析・人工心肺などの対外循環装置使用時、血管カテーテル挿入時、静脈内留置ルートの血液凝固防止や播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療、血栓塞栓症の治療および予防など多岐に使用されます。
日本血栓止血学会は、厚生労働省DIC診断基準を修正したDIC診断基準暫定案を発表しました。造血器障害や感染症などの有無によるアルゴリズムで、DICを「造血障害型」「感染症型」ならびに「基本型」の3つの病型に分けています。
「造血障害型」では血小板のポイントが、「感染症型」ではフィブリノゲンのポイントが加算さえません。「造血障害型」以外の2タイプでは、血小板数が5万/μLより多い症例では、24時間以内に30%以上血小板が減少すれば、さらに1点加算されます。
原則としてFDPによるスコアリングを推奨しますが、FDPを測定していない施設ではD-ダイマー基準値上限よりも2倍以上増加があれば1点を加えます。また、DIC以外の原因による肝不全はマイナス3点減点することにより肝障害の影響を減らしています。
先天性血友病は血液凝固第VIII因子(血友病A)または第IX因子(血友病B)欠乏症のことで1万人に1人の男子に発症する遺伝疾患で、生まれた時からこれらの凝固因子活性が低下しています。一方、後天性血友病は、主に血液凝固第VIII因子に対する自己抗体(インヒビター)により、後天的に凝固因子活性が低下する疾患です。後天性血友病は「後天性インヒビター」とも呼ばれ、今まで全く出血症状を呈したことがない人に突然発症する重篤な出血性疾患です。
後天性血友病Aの診断では、
1)既往のない突然の出血傾向、
2)APTT延長(PT正常)が認められた場合に疑い、
3)血液凝固第VIII因子活性が低下していれば可能性が高まり、
4)血液凝固第VIII因子に対する抗体(インヒビター)が検出されれば確定します。
インヒビターの存在を知る簡便な方法としてAPTTクロスミキシング試験があります。
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