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呼吸器系の変化は、妊娠子宮の増大により横隔膜は拳上し、肺の残気量は軽度減少します。全肺気量(total lung capacity:TLC)の各部分は妊娠により異なった影響を受けます。呼吸はやや胸式呼吸となります。妊娠するとプロゲステロンなどの影響で呼吸中枢が刺激され、呼吸数には大きな変化は見られないものの、1回換気量が約40%増加します。このため分時呼吸量は増加、PCO2(二酸化炭素分圧)は軽度低下、軽度呼吸性アルカローシスとなりますが、腎により重炭酸イオンが排出され代償されます。
したがって動脈血pHは7.40〜7.45に保たれ、動脈血液分圧(PO2)は軽度上昇傾向を示します。母体側でのPCO2の軽度低下により、胎児側から母体へのCO2運搬は促進されることになります。
免疫系の変化では、妊娠により細胞性免疫(特に獲得免疫)は抑制されます。これは非自己(正確にはsemi-allogenic)である胎児を、拒絶せずに子宮内に宿し育てることに適した変化であり、一種の免疫寛容です。また液性免疫は比較的保たれます。
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