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血液は体の中で多くの役割を担っていますが、なかでも特に重要なのは酸素・炭酸ガス・栄養物・老廃物などの運搬と、病原体から身を守る働きであり、そのために血液は血管の中をよどみなく流れていなければなりません。一方打撲などで血管が破れたときには、その部位に速やかに血栓を作って血液の流失をくい止める必要があります。
酸素や炭酸ガスの運搬は赤血球、病原体から身を守る働きは白血球と様々な免疫物質、血流の維持と血栓形成は様々な血液凝固線溶・凝固線溶抑制因子と血小板が担当しています。
新生児から思春期まで加齢に伴う小児期の血液の変化の中で、最も特徴的な変化は新生児期に起こります。母親の胎内ですべて栄養や酸素を与えられている寄生体の生活から母体外での自立生活に対応するため、新生児期には多くの臓器で劇的な生理学的変化が起こりますが、血液系も例外ではありません。
それまで胎盤の低い酸素分圧下で酸素を受け取っていた赤血球は、出生後は肺胞の高い酸素分圧下で酸素を受け取ることになります。白血球を中心とする免疫系は、それまでの無菌的環境から様々な病原体に取り囲まれた状況の中で身を守っていくことを求められます。また胎児は出血の原因となる打撲や外傷から手厚く守られているのに対して、分娩開始後は出血の原因となる出来事に曝される機会が増えるので、血小板と血液凝固因子はそれらのアクシデントに適切に対処していかなければなりません。
それぞれの変化をまとめています。
・赤血球の変化
・白血球の変化
・血小板の変化
・凝固線溶・抗凝固線溶系の変化
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