子供の成長に伴う 臨床検査値の変化

成長期にある子供の加齢変化には目覚しいものがあり、その加齢変化パターンには性差や発育環境の差異のほかに、各生体成分固有の変化もみられます。子供の成長に伴う臨床検査値の変化は、次の4型に分類されます。

スポンサードリンク

子供の成長に伴う 臨床検査値の変化

成長期にある子供の 加齢変化 には目覚しいものがあり、その加齢変化パターンには性差や発育環境の差異のほかに、各生体成分固有の変化もみられます。
子供の成長に伴う臨床検査値の変化は、次の4型に分類されます。
1型:漸増型 TP・尿素窒素(BUN)・中性脂肪(TG)・クレアチニン・血糖・尿酸(UA)コレステロール・ヘモグロビン(Hb)・赤血球数(RBC)
成長に伴い臓器器官成熟によって機能が明確になる成分値で、体内代謝(合成・分解)される成分の多くはこのグループに含まれます。また、時間軸上の差異はありますが、生殖機能関連成分や内分泌成分についても同様の現象がみられます。

2型:漸滅型 AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CPK・アルカリフォスファターゼ(ALP)・カルシウム(Ca)・カリウム(K)
肝機能検査項目として知られる肝内酵素成分の多くは臓器が未熟な時期に逸脱や不安定なコントロール状態であるために血中濃度が高く臓器の成熟度が増すに従い低値化します。胎児期には一時的に高い血中濃度を示すとの報告もありますが、出生時期には著しく低値となり、出生後3カ月から3歳児までと成分による差はありますが、上昇傾向を示し成人レベルに達するのがこのグループです。

3型:乳児期から幼児期・学童期とほぼ一文字の安定した推移を示す ナトリウム(Na)・クロール(Cl)・リン(P)・遊離脂肪酸(EFA)
体内ミネラル成分の多くは、臓器相関に直接かかわらず、生命現象維持の根幹として一定に調節されているので、これらの成分の加齢現象に伴う変化は少ないとされています。

4型:1〜3型に相当しない ビリルビン・ALP
小児を対象とする検査項目の中で、極めて特徴的な加齢変化を示すものにビリルビンとアルカリフォスファターゼ(ALP)があります。ALPは、乳・幼児期と10〜12歳頃に高く2峰性を示します。

▽子供の成長に伴う 臨床検査値の変化 のキーワード

▽次の記事、前の記事

慢性疾患に伴う貧血 ACD | 小児期の IGF-1 の加齢変化

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAP:新着記事

デング熱 蚊で媒介されるデングウイルス感染症
デング熱は、ネッタイシマカなどの蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症です。4種の血清型が存在し比較的軽症のデング熱と、重症型のデング出血熱とがあります。
新規保険収載 デングウイルスNS1抗原定性
NS1抗原を標的にした検査法は、ウイルス遺伝子が消失したあとも検出が可能であることから、デングウイルス感染の診断補助に有用であるといわれています。
DIC播種性血管内凝固の新診断基準 日本血栓止血学会2014
日本血栓止血学会は、厚生労働省DIC診断基準を修正したDIC診断基準暫定案を発表しました。アルゴリズムで、DICを「造血障害型」「感染症型」ならびに「基本型」の3つの病型に分けています。
新規糖尿病治療薬SGLT2阻害薬の効果と副作用
新規糖尿病治療薬sodium glucose co-transpoter2(SGLT2)阻害薬はインスリン作用を介さずに腎尿細管を標的とした薬剤です。
メタボロミクスによる癌診断
メタボロミクスは、有機酸、アミノ酸、脂肪酸、糖などの多種多様な低分子量代謝産物(メタボローム)を対象とした研究です。
膵グルカゴン 完全長膵グルカゴンを特異的に測定
完全長の膵グルカゴンを特異的に測定する研究検査項目です。
IgGサブクラスIgG2
IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。
後天性血友病 APTTクロスミキシング試験
後天性血友病インヒビターの存在を知る簡便な方法としてAPTTクロスミキシング試験があります。
血液検査で癌の早期発見ができる miRNA検査
たった1滴の血液から、13種類もの癌を早期に発見できる・・これまでの常識を覆す、画期的な検査方法がミクロRNA(miRNA)検査です。
認知症を予防する MCIスクリーニング検査とは
MCIスクリーニング検査 とは、軽度認知障害(MCI)の兆候を早期に発見できるバイオマーカーを使用した血液検査です。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint