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高齢者では、体水分量(特に細胞内液量)の減少、腎機能低下による水・Na保持能の低下などにより容易に脱水状態をきたし、水・電解質異常を生じます。経口摂取不足や嘔吐・下痢・発熱などの病態が背景に存在します。嘔吐は代謝性アルカローシスを、下痢は代謝性(高Cl性)アシドーシスを引き起こします。
高齢者においては低Na血症の頻度が高く、腎機能低下によるNa保持能の低下と水分負荷時に水過剰状態に陥りやすいことに加えて、悪性腫瘍、糖尿病などの基礎疾患を有する場合が多いことに起因しています。
高Na血症の頻度は低Na血症に比べれば少ないのですが、高Na血症の多くは比較的高齢者で、水分の摂取不足の起因するものが多くみられます。また、高齢者はなんらかの薬を常用していることが多く、副作用をきたしやすいこともあります。特に、利尿薬による低Na血症・低K血症、降圧薬であるアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)・アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による高K血症、甘草による低K血症、骨粗しょう症・骨代謝改善薬である活性型ビタミンD剤による高Ca血症に注意が必要です。
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