小児期の IGF-1 の加齢変化

IGFにはIGF-1(ソマトメジンC)とIGF-2の2種類が存在し、ともに胎生の早い時期から発現しており、胎生15週にはすでに胎児血中で測定可能です。その後、週数とともに血中濃度が上昇していきます。

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小児期の IGF-1 の加齢変化

インスリン様成長因子(insulin-like growth factor:IGF)は、成長ホルモン(growth hormone:GH)の作用を仲介する因子として1978年に同定され、その構造はインスリンと極めて類似しています。
IGFにはIGF-1(ソマトメジンC)とIGF-2の2種類が存在し、ともに胎生の早い時期から発現しており、胎生15週にはすでに胎児血中で測定可能です。その後、週数とともに血中濃度が上昇していきます。
出生後の血中IGF-1濃度は、内因性のGHの分泌動態をよく反映し、運動・睡眠・ストレス・食事の影響を受けず、日内変動を示さないことから成長ホルモン分泌不全症(GHD)を診断するうえで良いマーカーとなることが知られています。一方、血中IGF-2濃度は、GHDで低下することが知られていますが、IGF-1に比べてGH依存性に乏しく、その生理的意義も十分に明らかにされていません。

血中IGF-1濃度は、年齢により大きく変動します。乳幼児期から年齢が進むとともに増加し、女性では11〜12歳、男性で13〜14歳の思春期年齢でピークをとり、その後年齢が進むにつれて低下します。
2006年に重症成人GHDに対するGH投与が保険適用になったことから、小児期から成人期にかけてのIGF-1値の基準値が臨床的に重要になっています。

IGF-1基準値 単位(ng/ml)
年齢   男性     女性
0歳   32〜155    44〜178
1〜2歳  37〜216    28〜262
3〜4歳  60〜179    54〜333
5〜6歳  37〜411    91〜344
7〜8歳  150〜448    101〜1,052
9〜10歳 138〜501    170〜962
11〜12歳 144〜924    370〜896
13〜14歳 338〜850    385〜744
15〜16歳 250〜680    313〜759
17〜18歳 --------    --------
成人   106〜398    121〜436

・高値を示す病態:巨人症、末端肥大症、甲状腺機能亢進症、妊娠など
・低値を示す病態:GH分泌不全症、甲状腺機能低下症、小人症、栄養障害、肝実質障害(肝硬変)など

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