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結核菌に感染すると、結核菌特異抗原であるESAT-6およびCFP-10がエフェクターT細胞を感作しIFN‐γ産生を強く誘導します。この原理を応用し、in vitroでエフェクターT細胞を結核菌特異抗原により刺激して、産生されるIFN-γを測定する方法をinterferon-gamma release assays(IGRA)と呼びます。T-SPOTはIGRAを利用した検査の一つで、ELISPOT法を用いてIFN-γ産生細胞数を計測することにより結核菌感染を判定します。
実際の手技
1)ヘパリン加採血管採血 1本(0〜2歳:2mL、2〜9歳:4mL、10歳以上:6mL)
血液採取は、通常のヘパリン入り採血管が1本あれば十分で、18〜25℃で保管する。ただし、採血後8時間以内に検査ができない場合は、顆粒球を赤血球と交差結合させ単核球(リンパ球)をよりリッチに分離できるT-Cell Xtend試薬を検体処理直前に添加することにより、採血後最長32時間経過した血液でも検査できる。
2)全血から末梢血単核細胞(PBMC)層を分離
全血にRPMI-1640を加え希釈して、Ficoll3mLをゆっくり重層し、遠心して末梢血単核細胞(PBMC)層を分離し、25万/1wellとなるように細胞数をRPMI-1640で希釈調整する。この過程で免疫反応を阻害する物質や血漿中のIFN-γが除去され、バックグラウンドの非特異的反応が軽減される。
3)培養
抗IFN-γ抗体を固相したマイクロプレートのウェルに調整したPBMC検体を加え、結核菌特異抗原(パネルA抗原:ESAT-6とパネルB抗原:CFP-10)および陽性コントロール(PHA)、陰性コントロール(生理食塩水)を添加し16〜20時間培養(37℃、5%CO2)して反応させる。
4)IFN-γ産生スポットの計測
ウェルを洗浄した後標識抗体試薬を加える。ウェルを洗浄して非結合の抗体を除去後、基質試薬を加える。IFN-γを産生したエフェクターT細胞の痕跡が暗青色の「スポット(点)」として発現するのでこの数を計測する。
T-SPOTの判定
1.以下の計算式を用いて1)及び2)を算出
(パネルAウェルのスポット数)‐(陰性コントロールウェルのスポット数)・・・1)
(パネルBウェルのスポット数)‐(陰性コントロールウェルのスポット数)・・・2)
2.1で算出した1)2)の数値を用いて以下の判定基準に従って結果を判定する。
陽性:1)および2)の双方、あるいはいずれか一方が6スポット以上の場合
陰性:1)および2)の双方が5スポット以下の場合
判定保留:1)および2)の双方、あるいは双方の値の最大値が5〜7の場合
また、次の場合は「判定不可」のため再検査が必要となります。
・陰性コントロールウェルのスポット数が10を超える場合
・陽性コントロールウェルのスポット数が20未満となる場合
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