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プロカルシトニン(Procalcitonin:PCT)はカルシトニンの前駆蛋白として甲状腺のC細胞において生成される116個のアミノ酸から成る分子量 13kDaの蛋白で、N末端側には57個のアミノ酸から成る領域があり、中央に32個のアミノ酸から成るカルシトニン部分、C末端側には21個のアミノ酸から成るカタカルシン(catacalcin)部分が存在します。PCTはヒトCALC-1遺伝子によってコードされています(この遺伝子は染色体11p15.4に存在する)。PTCは正常な状態では細胞内で分解され、健常人における血中濃度は検出限界以下です。
血中PTC濃度は、全身性感染症、特に細菌感染症で上昇しウイルス感染症や局所の細菌感染ではほとんど上昇が認められず、エンドトキシンやIL-6、CRP等の血中マーカーよりも細菌感染に特異的です。循環血液中の半減期は約24〜30時間。
検査材料:血清
測定法:EIA
基準値:単位(ng/ml)0.05以下
敗血症(細菌性)の鑑別診断の指標 カットオフ値:0.5
敗血症(細菌性)重症度判定の指標 カットオフ値:2.0
高値を示す疾患
全身性炎症反応を示す細菌感染症(腹膜炎、広範軟部組織感染症)、敗血症、多臓器機能不全症候群(MODS)、全身性真菌感染症(candida, aspergillus)、寄生虫感染症(malaria)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、膵炎(胆管性)、細菌性髄膜炎、新生児敗血症、大手術(食道切除術など)
・PCT測定の適応
PCTは重症の細菌、真菌、寄生虫感染症の診断のパラメーターで、感染に対する全身的な反応の過程でのみ生成され、局所に限定された細菌感染、ウイルス感染、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患ではPCTは誘導生成されません。
大手術、臓器移植、多発外傷の術後期、化学療法中、重篤な膵炎、胆管炎、あるいは軟部組織の感染患者など全身性細菌、真菌感染のリスクの高い患者には、PCT測定による監視が望ましいとされています。PCTの血中濃度は感染による炎症の度合いを反映するので、もしも敗血症ショック、多臓器機能不全症候群(MODS)、または重篤な細菌感染症などで、PCTが既に高濃度のときは、PCT濃度の経過観察は予後判定に有用です。また、従来困難とされていた小児、特に新生児の敗血症の早期診断にもPCTが有用であることが報告されています。
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