結核菌と感染性

肺結核の診断には基本的に連続3回の喀痰検査が必要です。その3回の検査結果のうち、最も重い結果に基づいて診断や接触者健診などを行うことになっています。

スポンサードリンク

結核菌と感染性

肺結核の診断には基本的に連続3回の喀痰検査が必要です。その3回の検査結果のうち、最も重い結果に基づいて診断や接触者健診などを行うことになっています。
結核患者の咳やくしゃみによって結核菌を含んだ飛沫が空気中に飛散すると、飛沫は乾燥して水蒸気を失い、内部にあった菌体が空中に浮遊することになります。これを飛沫核といいます。また、飛沫核が吸入されることによって結核感染が広がることを飛沫感染(空気感染)といいます。同様の感染形式で広がる感染症として、麻疹と水痘がありますが、飛沫によって感染する疾患の代表はインフルエンザです。

ただし、結核菌を吸い込んだ人が全員発病するわけではありません。体には防御機能があるので、結核菌を吸い込んでも感染が成立するのは25〜50%の人です。結核の感染が成立するということは、体の免疫機能が働いてツベルクリン反応あるいはインターフェロンγ遊離試験(interferon-gamma release assay:IGRA)が陽性になるということです。ところが、感染が成立しても免疫機能が結核の発病を抑え込んでしまうので、発病する人は少ないのです。感染の成立後5%がその場で発病し、5%が一生の間に発病する程度です。つまり残りの90%は発病しないわけです。ただし、これは免疫機能が正常の場合であり、病気や薬剤で免疫機能が低下している人では結核発病のリスクが高くなります。

▽結核菌と感染性 のキーワード

▽次の記事、前の記事

頭頸部癌 PD-L1タンパク(IHC)28-8 | 結核の感染危険度

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAP:新着記事

結核の感染危険度
結核患者から他の人に結核が感染する危険度を規定する因子として、感染源の排菌量、咳の激しさ、接触した時の距離、接触の時間、接触した部屋の広さ、換気の状況、在室の時間、感染を受ける側の免疫状態などが挙げられます。
結核菌と感染性
肺結核の診断には基本的に連続3回の喀痰検査が必要です。その3回の検査結果のうち、最も重い結果に基づいて診断や接触者健診などを行うことになっています。
頭頸部癌 PD-L1タンパク(IHC)28-8
頭頸部癌患者における免疫チェックポイント阻害剤「ニボルマブ」の適切な投与を行ための補助に用いられる検査です。
カルプロテクチン 潰瘍性大腸炎の病態把握
便中のカルプロテクチン濃度と腸管内の炎症の程度とが相関することから、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の診断マーカーとなります。
認知症MCIスクリーニング検査におけるMMSE実施について
認知障害を見つけたり、認知障害の重症度を測ったり、経過を追って患者の認知機能の変化を追跡したりするために使用され、認知症の分野では国際的な基準テストとなっています。
尿1滴と線虫で癌がわかる自動装置開発・日立製作所
日立製作所は「がん」のにおいを好む線虫の特性を利用し、自動で「がん」を検査できる装置を開発したと発表しました
肺癌 PD-L1タンパク(IHC)22C3 および(IHC)28-8
非小細胞肺癌患者における「ペムブロリズマブ」、非扁平上皮非小細胞肺癌患者における「ニボルマブ」の適切な投与を行う為の補助に用いられる検査です。
CDT/トランスフェリン比 習慣飲酒マーカー
CDT/トランスフェリン比は、習慣飲酒マーカー、アルコール性肝障害の鑑別マーカーとして期待される新しい検査です。
百日咳菌DNA 百日咳菌核酸検出
本検査は、LAMP法を用いており、迅速かつ特異的に百日咳菌の核酸検出が可能であるため、他の呼吸器系疾患との鑑別や百日咳の早期診断等に有用な検査として、期待されています。
HIT発症のメカニズム
ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-Induced Thrombocytopenia:HIT)はヘパリン投与患者におこる副作用で、免疫機序を介して血小板減少症、動静脈血栓塞栓症を引き起こす重篤な病態です。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint