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敗血症は細菌等の感染李によりひき起こされる全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)で多臓器不全などを引き起こす致死性の疾患です。敗血症では早期の適正な治療が最も重要であり、迅速な診断のためより精度の高いマーカーの開発が切望されています。
プレセプシンは、食細胞が細菌等を貪食する際に利用するCD14タンパクが消化酵素による細胞内消化を受け分泌されるCD14のN末端部からなる分子量13KDaのタンパクです。
プレセプシンは、敗血症患者の血中で高値となり、敗血症の病態とよく相関するすることが報告されています。さらに、既存の敗血症マーカーでは高値となる熱傷や外傷などの、敗血症と無関係な病態の影響を受けにくいことから、より精度の高い敗血症マーカーとして利用が期待されています。
検査材料:血漿 ヘパリンまたはEDTA加血
測定方法:CLEIA
基準値:単位(pg/ml)未設定
一般的に感染症マーカーとしてはインターロイキン6(IL6)やC反応性蛋白(CRP)、白血球数などがありますが、IL6やCRPの場合、敗血症の状態から症状が改善しても高い値で推移し続けるため、治療経過の判定には向いていません。
プロカルシトニンは敗血症に特異的なマーカーとして使われていますが、感染徴候のない外傷初期でも測定値が上昇するため判断が難しいことがあります。
一方プレセプシンは敗血症に特異的に上昇し外傷では上がりません。また、全血で手間なく測定でき、感染後約2時間で上昇するため、感染早期の診断にも適しています。
さらに、プレセプシンの値は病態の重症度評価に使われるacute physiology and chronic health evaluation(APACHE)IIスコアおよび臓器障害の度合いを示すsequential organ failure assessment(SOFA)スコアのいずれも有意な相関関係があることが報告されており、重症度の評価および治療効果の判定にも有用と期待されています。
※各種のDICスコアだけでなく、APACHE-II、SOFA、SIRSも自動計算できるファイルメーカーのテンプレートのダウンロードはこちらから
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