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水痘(みずぼうそう)は、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)によって起こる急性の伝染性疾患です。
水痘帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルス科のα亜科に属するDNAウイルスであり、他のヘルペスウイルスと同様に初感染の後、知覚神経節に潜伏感染します。ウイルスは通常気道粘膜から侵入し、鼻咽頭の侵入部位と所属リンパ節にて増殖した後、感染後4〜6日で一次ウイルス血症を起こします。これによりウイルスは他の器官、肝、脾などに散布され、そこで増殖した後二次ウイルス血症を起こし、皮膚に水疱を形成します。ウイルスは発疹出現の5日前ころから1〜2日後まで、末梢血単核球から分離されます。
水痘は潜伏期10〜20日位で軽い発熱などの後、まず躯幹に小さな赤い丘疹が発生し顔や頭に拡がり、やがて透明な内疱液を含む水疱に変化し、最終的に痂皮を形成します。感染したウイルスはウイルス血症をおこし全身の皮膚や臓器へ伝播する。通常は4〜5日で軽快しますが、ごくまれに血小板減少症や肺炎、心筋炎、腎炎などを起こすことがあります。
水痘帯状疱疹ウイルスは罹患後、脊髄後根神経節に潜み高齢者や免疫抑制状態にある患者に再発して帯状ヘルペスを発症することがあります。好発部位は胸髄、頚髄、腰髄、顔面などに多く、通常激しい疼痛を伴います。
また、1〜6ヶ月までの妊娠初期に感染すると出生児に奇形が生ずることがあります。感染の診断には、一般に抗体検査が用いられ、感度はEIAの方がCFよりも高いとされています。またPCR法などの遺伝子学的検査や抗原系検査も行われています。
水痘・帯状ヘルペスウイルス抗体検査には次のものがあります。
・水痘・帯状ヘルペス IgG(EIA)
基準値:陰性(−)EIA価 2.0 未満
・水痘・帯状ヘルペス IgM (EIA)
基準値:陰性(−)EIA index 0.80 未満
・水痘・帯状ヘルペス CF
基準値:最低希釈倍数 4倍未満
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