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ウイルス血清抗体価に正常値という概念はありません。ウイルス感染後に産生される抗体の検出は、過去にそのウイルスに感染したことを回顧的に示すだけで、現在の状態を必ずしも反映していません。
ウイルス抗体は感染の直後に高く、以後下降するパターンを示しますが、単一の血清の抗体価の高低だけで近い過去に感染があったかどうかの判定は出来ない場合が多いといえます。
ウイルス感染後の抗体応答パターン、各検査法の特徴、検査意義を理解し、目的に応じた検査法を選択する必要があります。
急性期(発病後早期)と回復期(発病後14〜21日)のペア血清の抗体価が4倍以上上昇した場合有意と判断しそのウイルスの感染を推定します。ただし、治療にγグロブリンを投与した場合の抗体価の上昇は、必ずしも有意とは考えられません。
IgM:早期に産生されるが短期間で消失
IgG:IgMに遅れて出現。漸減しながら長期間持続
IgA:IgMより多少遅れて出現するがIgMより長期間検出可能
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