ウイルス抗体検査の測定法と特徴

ウイルス抗体検査では、検査法の特徴により目的に合った検査の選択が必要です。主な検査法を紹介しています。

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ウイルス抗体検査の測定法と特徴

1)補体結合反応(Complement Fixation Test:CF)
抗原抗体複合体と結合した補体を感作血球の不溶血を指標として間接的に証明します。CF活性を持つのはIgGとIgMのみで一般に感染後短期間検出される場合が多いといえます。
・群特異性が高い
・比較的早期に抗体消失
・感染スクリーニング用
2)赤血球凝集抑制反応(Hemagglutination Inhibition Test:HI)
一般にウイルスは動物の赤血球を凝集する性質を持っており、ウイルス抗原が対応する抗体と結合し抗原抗体反応を起こすと赤血球凝集能が抑制されます。この性質を利用してウイルス抗原を被検検体と反応させ、これに赤血球を加え反応させどの希釈倍率まで凝集が抑制されたかにより抗体価を判定します。
・型特異性が高い
・早期に抗体が上昇、持続する
3)蛍光抗体法(Fluorescent Antibody Test:FA)
FITCなどの蛍光色素を標識し抗原と抗体を反応させ蛍光顕微鏡下で観察すると特異的な蛍光が見られ、これにより判定します。抗体に蛍光色素を直接結合させる直接法と抗原抗体反応させた後、さらに抗血清に蛍光色素を反応させる間接法があります。
・抗体分画が可能

4)中和反応(Neutralization Test:NT)
被検検体を段階希釈しウイルスを添加・混合し検体中の抗体と抗原抗体反応を起こさせ、そのウイルスに感受性のある細胞に接種して一定期間培養を行います。中和抗体が存在するとウイルスが中和され細胞変性効果(CPE)が起こらず、その最大希釈倍率を抗体価とします。最も特異性の高い抗体価測定法とされています。
・型特異性が高い
5)酵素免疫法(Enzyme Immunoassay:EIA)
被検検体を反応させた抗原抗体複合物に酵素標識抗体を加え反応させた後、その酵素に対する基質を添加し発色させ、その吸光度により比色定量します。標識酵素にはペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼなどが用いられています。
・抗体分画が可能
・定量的データ
・他法に比して高感度
6)受身赤血球凝集反応(Passive Hemagglutination Test:PHA)
固相化赤血球にウイルスを吸着させ、これに抗体を反応させ、凝集の有無により証明します。
・高感度
7)粒子凝集反応(Particle Agglutination Test:PA)
固相化ゼラチン粒子にウイルスを吸着させ、これに抗体を反応させ、凝集の有無により証明します。
・PHAに比し非特異的凝集が少ない
8)ウエスタンブロット法(Western Blot method:WB)
転写膜に分画された抗原タンパクのバンドと特異的に反応する抗体を検出します。
・特異性が高い
・確認試験

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