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百日咳は百日咳菌(Bordetella pertussis)によって引き起こされる急性呼吸器感染症で、感染力が大変強く、咳による飛沫で感染します。最初のうちは普通のかぜと変わりませんが、1〜2週間が過ぎるとだんだんと激しい咳に変わり、百日咳菌が持つ百日咳毒素(PT)により主に呼吸器異常を伴う特徴的な咳きこみ発作を起こします。
乳幼児期のような免疫抵抗力が低い時期に感染すると重症化しやすく、発症後の抗生物質の効果も充分ではないため、ワクチンによる感染防御が重要です。
三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチン未接種者を中心に幼児で散発していますが、最近では成人の百日咳が問題になっています。これは小児期に受けたワクチンの効果が年とともに弱くなり、抗体価が下がることによって感染してしまうためです。
ワクチン接種後の抗体価は6〜10年で減衰し、成人で3週間以上続く咳の原因の2割弱が百日咳だと報告されています。好発季節は春から秋で特に8、9月に多く発生します。
確定診断は鼻咽頭からの百日咳菌の分離同定が必要ですが、検出率が低いため、血清抗体価を測定します。
百日咳抗体検査では細菌凝集反応が簡便であるためよく用いられます。通常は東浜株(ワクチン株、K抗原1・2)、山口株(流行株、K抗原1・3)の2種類の抗体価が報告されます。感染初期と2週間以上経た時期のペア血清測定を行い、4倍以上の上昇で診断します。シングル血清(1回の検査)で診断する場合は、10歳未満では東浜株、山口株のいずれかが320倍以上か、山口株のみの上昇。10歳以上では山口株が40倍以上の陽性、山口株/東浜株比が4倍以上を目安とします。
現在では以前から使用されていた死菌ワクチンと異なり百日咳トキソイド(PTd)と線維状赤血球凝集素(FHA)のみを持つ予防接種も行われていることから、ワクチン接種後に凝集素価が上昇するとは限らない場合もあります。ワクチン接種の効果判定には、抗PT抗体と抗FHA抗体を測定するEIA法を用います。
検査材料:血清
測定方法:細菌凝集法
基準値:単位(倍)10
陽性を示す病態:百日咳菌感染症
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