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インフルエンザウイルスはA、B、C型の3つの型に分類されるRNAウイルスです。A型もしくはB型が臨床的に重要とされます。
A型とB型のウイルスの表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の2種類の糖蛋白が存在しており、A型にはHAがH1〜H15、NAはN1〜N9の亜型が同定されていますが、B型やC型には亜型は認められません。ごく最近まではH1〜H3までにしかヒトに感染して病原性を示さないと考えられていましたが、他の亜型もヒトに感染しうることがわかってきました。
A型、B型はHAとNAの抗原性が毎年変化するため、既感染による免疫では感染防御ができなくなり毎年のように流行を繰り返します。
A型はヒト以外の生物にも宿主をもち、その体内でウイルスが連続変異や不連続変異をして大流行の原因になります。B型はヒト以外に自然宿主を持たず、また亜型もないため不連続変異を起こさず大流行することはないとされています。
一般にインフルエンザウイルスに感染しても健康人では1週間程度で治癒することが多いが、高齢者や基礎疾患をもつハイリスク患者に感染すると合併症を起こし現在でも致命的になることがあります。
抗体検査法としては、HI法とCF法があります。一般にその年のインフルエンザワクチンに使用される最近の流行株を抗原に用いるHI試験がよく検査されますが、抗原として用いた株からかなり変異したウイルスや全く別の型や亜型に属するウイルスに感染した場
合はHI法では抗体価の上昇を検出できない場合があるため、CF法を併用します。一方、ワクチン接種ではCF抗体の上昇はみられないのが普通です。いずれもペア検体で4倍以上の抗体価の上昇があった場合に感染があったと判断します。
検査材料:血清 または 髄液
測定方法:HI、CF
抗原検査としては、迅速キット(POCT)があります。1998年抗Aインフルエンザウイルス治療薬が認可され、発症後48時間以内に服用した場合のみ、その効果が発揮されることから、迅速な抗原検出が必要となり1999年インフルエンザA型抗原を検出するキットが発売されました。その後B型の治療薬の認可、キットの発売によりA、B型検出可能となり、今日ではインフルエンザの診断・治療に不可欠となっています。
検査材料:咽頭拭い液、鼻腔拭い液
測定方法:イムノクロマトグラフ法(ICA)
所要時間:15分
陽性を示す病態
インフルエンザウイルス感染症
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