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馬インフルエンザは、家畜伝染病予防法で届出伝染病に指定されて
いる感染症で、ヒトと同じオルトミクソウイルス科に属するウイル
スでありA型に分類されています。
インフルエンザウイルスはヘマグルチニン(HA)とノイラミニダ
ーゼ(NA)の番号により分類され、馬インフルエンザには1型
(H7N7)と2型(H3N8)の2つの亜型が存在するといわれ、ヒトに
は感染しないと考えられています。
動物にはそれぞれの種に感受性のある特有のインフルエンザウイル
スが存在し、他には猫、犬、豚インフルエンザなど様々なものが存
在します。
馬インフルエンザは、馬が感染し発症すると40℃以上の高熱で咳
や多量の鼻水などの呼吸器症状を呈し、臨床症状はヒトに類似して
います。二次感染や合併症などを起こさなければ2〜3週間程度で
回復し、特に重篤にはなりませんが、肺水種などを合併すると死亡
することがあるといわれています。
1971年の大発生以来30年以上も特に流行はみられず、また日本国
内で生まれ育てられた競走馬にはワクチン接種が義務付けられてい
るため、以前のような大流行はないと考えられていましたが2007年
札幌競馬場や函館競馬場などでインフルエンザの感染症状の馬が発
見され、馬インフルエンザウイルスが検出されました。
馬インフルエンザウイルスは、伝播スピードが非常に早く、複数の
馬に感染が確認されたのは一遍に感染したのではなく、初めに感染
した馬から次々に伝播していったのではないかと考えられています。
したがって1頭の馬に感染するとあっという間にその厩舎に所属す
る全ての馬に感染が広がる可能性があります。そのため、競馬を開
催すると競走に来ている他の厩舎の馬にも感染する可能性が強いた
め中央競馬会では競走を中止しました。
かつては鳥インフルエンザ(H5N1)のような抗原亜型をもつA型イ
ンフルエンザウイルスはヒトへは感染しないと考えられていました。
いつか馬インフルエンザが、ヒトへ牙をむくことがあるかもしれません。
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