IgGサブクラスIgG2

IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。

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IgGサブクラスIgG2

IgGは分子量約15万の糖タンパクで、5種類の免疫グロブリン(IgA・IgG・IgM・IgD・IgE)のうち血中に最も多量に存在します。免疫グロブリン分子のヒンジ領域とH鎖間のS-S結合のタイプにより4つのサブクラスに分類され、その比率はおよそIgG1 65%、IgG2 25%、IgG3 6%、IgG44%です。IgGは免疫グロブリンのなかで唯一胎盤透過性を持ち、新生児は母親がもっている免疫抗体を受け継ぎ、生後4〜5カ月ごろまで母親由来のIgGが存在するとされています。
IgGサブクラス欠損症は、サブクラス1〜4のうち1つ又は複数の成分が欠損していることを意味し、原発性免疫不全症のカテゴリーの中で体液性免疫不全として位置付けられています

IgGの中で、IgG2はIgG1と共に特異抗体活性を持ち、細菌の多糖体抗原、特に肺炎球菌やインフルエンザ菌の感染予防において中心的な役割を担っています。IgG2欠損症は反復性の中耳炎や気管支炎及び肺炎などの感染症を引き起こすことが知られていますが、易感染性を示さない症例も存在します。一般にIgG2の血中濃度は、年齢にもよりますが30mg/dL以下を欠乏症とし、30〜80mg/dLを要観察域としています。
2015年2月に日本血液製剤機構の免疫グロブリン製剤「献血ヴェノグロブリンIH5%静注」の効能・効果として「血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制(ワクチン接種による予防及び他の適切な治療を行っても十分な効果が得られず、発症を繰り返す場合に限る)」が追加されました、効能・効果に関する使用上の注意の一つに「血清IgG2値80mg/dL未満が継続していること」と記載されており、同製剤の投与には予め血清中のIgGサブクラスIgG2検査により、血清IgG2値が80mg/dL未満であることを確認することが求められます。
総IgGは基準値幅が広く、仮にIgG2欠損があるとしても総IgG濃度が低くなるとは限らず、総濃度には反映されない場合も多く認められます。
IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。

検査材料:血清
測定方法:ネフェロメトリー法
基準値:単位(mg/dL)208〜754 
免疫グロブリン補充療法における適応基準:80mg/dL未満

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