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近年開発された結核の新しい免疫学的診断法であるインターフェロン-γ(IFN-γ)遊離検査(interferon-γ releasing assay:IGRA)は、末梢血を結核特異抗原で刺激し、IFN-γ放出の程度を測定する検査であり、現在2つの方法があります。
一つは、全血を検体として特異抗原刺激により産生されたIFN-γ量をELISA法により定量するクオンティフェロンTBゴールド(QFT-3G)で、もう一つは精製リンパ球を用いて特異抗原刺激によりIFN-γを産生する細胞数をELISPOT法により計測するT-スポットTB(T-SPOT)です。末梢血を刺激する結核菌特異抗原は、QFT-3GではESAT-6、CFP-10、TB7.7であり、T-SPOTは精製リンパ球をESAT-6とCFP-10で刺激します。ESAT-6とCFP-10は、すべてのBCG株とmycpbacterium kansasii、M.szulgai、およびM.marinumを除くほとんどの結核性抗酸菌には存在しないため、BCG接種の影響を受けずに結核感染を診断することができます。
QFT-3GとT-SPOTの基本的な測定原理はほぼ同じですが、刺激抗原、測定法、判定法などが異なります。またいずれのIGRA検査も、陽性の場合に、過去の感染によるものか。最近の感染なのかの区別はできません。
活動性結核患者でのQFN-3GとT-SPOTの比較では、感度はT-SPOTが高く、特異度はQFN-3Gが高いとの報告がありますが、最近では両者の特異度は差がないとの報告があります。特に免疫不全状態では細胞調整可能なT-SPOTの感度が高いとの報告もあります。一方、潜在性結核感染(LTBI)では、診断のGold Standardがないため、どちらが優れているかの判断は難しくなります。結核発病初期でにT-SPOT陰性例もあり、LTBIや結核発病初期でのT-SPOTの有用性は、今後詳細に検討される必要があります。
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