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風疹に伴う最大の問題は、妊娠前半期の妊婦の初感染により、風疹ウイルス感染が胎児におよび、先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome:CRS)が高率に出現することです。これは妊娠中の感染時期により重症度、症状の発現時期が異なります。先天異常として発生するものとしては、先天性心疾患、難聴、白内障、網膜症などが挙げられます。先天異常以外に新生児期に出現する症状としては、低出生体重、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、間質性肺炎、髄膜脳炎などがあります。また、幼児期以後に発症するものとしては、進行性風疹全脳炎、糖尿病などがあります。
風疹のウイルス抗体検査には次のものがあります。
・風疹 IgG(EIA)
基準値:陰性(−)EIA価 2.0 未満
・風疹 IgM (EIA)
基準値:陰性(−)EIA index 0.80 未満
・風疹HI
基準値:最低希釈倍数 8倍未満
一般的な風疹HI抗体価の推移
1)出生時:母体抗体価とほとんど同値(受動的IgGのみ)で、以後次第に下降し、約1年で消失
2)以後、感染を受けるまでは陰性(8倍未満)
3)感染後の潜伏期では陰性(8倍未満)
4)発病日頃はまだ陰性(8倍未満)
5)3〜4病日で陽転(8〜32倍)
6)5病日を経過すると64〜128倍陽性
7)10病日で最高値の512〜2048倍に達する
8)上昇したHI価は1〜2年くらいは最高値を維持し、下降し始める
9)5〜10年以後は64〜8倍と緩やかに下降し、生涯維持される
・高値を示す病態
風疹、先天性風疹症候群
「風疹の合併症として成人の場合」
関節炎、脳炎、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、進行性風疹全脳炎、風疹ウイルスワクチン接種
・低値を示す病態
HI価8倍未満の場合は未感染またはワクチン未接種、あるいは無効例と考えられます。妊娠5カ月くらいまで罹患しないよう留意が必要。出産後ワクチン接種が望ましい。
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