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チクングニア熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどのヤブカによって媒介されるチクングニアウイルスの感染症です。チクングニアウイルスはトガウイルス科アルファウイルス属のウイルスで、通常は非致死性の発疹性熱性疾患です。
チクングニア熱は基本的に熱帯感染症ですが、近年流行地は拡大しており、わが国でも2011年2月から4類感染症および検疫感染症として、国内での発生・蔓延を防ぐ体制が強化されています。
2004年にケニヤで始ったチクングニア熱の流行は、2005年初頭にコモロ(Comoro)諸島、その後インド洋に位置する他の島国(モーリシャス:Mauritius、レユニオン:Reunion、セーシェル:Seychelles、マヨット:Mayotte)などに拡大し流行。レユニオン島では、2005年の3月から2006年の2月までに15万人以上の患者が発生し、死者237人が報告されました。この大流行の主要な媒介蚊は、日本にも生息するヒトスジシマカで、2007年にはイタリアで295例のチングニア熱が確認され、インドからの旅行者が発端症例と推定されています。2010年にはフランスや中国でも感染が報告されています。
発熱・関節痛・発疹が3主徴であり、同じくヤブカで媒介されるデング熱と症状がよく似ています。多くは7日以内に症状は消失しますが、多関節痛が長期間続くこともあります。
その他の症状として、全身倦怠・頭痛・筋肉痛・リンパ節腫脹があり、出血傾向(鼻出血や歯肉出血)、結膜炎や悪心・嘔吐をきたすこともあります。また、重症例では神経症状(脳症)や劇症肝炎も報告されています
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