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国内の インフルエンザワクチン は毎年、WHOの推奨に基づいて推奨株が決定され、厚生労働省の指導の下、化学及血清療法研究所、北里第一三共ワクチン、阪大微生物病研究会、デンカ生研の4社によって製造されています。
流行予測などに従って生産株は変更されるものの、製造法や用法、用量に変更がなければ、力価などを測定して問題が無いことを確認するのみで、新たな治験は行われません。流行予測が外れた場合はもちろん、的中した場合でも臨床上の有効性は、使用してみないとわからないのが現状です。
2011年は昨シーズンと同じ推奨株に基づいてワクチンが製造されます。小児に関しては従来の接種量がWHOで提唱されている接種量よりも少ないため、日本小児科学会、日本産婦人科学会が増量の要望を厚生労働省に提出しており、それを受けて上記の4社は今シーズンのワクチンについて小児の増量のための治験を実施しました。その結果に基づいて、増量のための一部変更申請が認められたため、今シーズンから小児の接種量が増量されます。
小児の用量は従来、4社一律で6歳〜13歳未満では0.3mLを2回、1歳〜6歳未満では0.2mLを2回、1歳未満では0.1mL を2回の接種でしたが、今シーズンから、化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、デンカ生研のワクチンについては、6カ月〜3歳未満では0.25mLを2回、3歳〜13歳未満では0.5mLを2回接種することになりました。
ただし、北里第一三共ワクチンについては、治験で6カ月〜1歳未満に対する有効性が認められなかったため、1歳未満では使用できないこととなりました。
こうした臨床上の有効性の違いは、治験を実施して初めて明らかになるものです。また、今シーズンのワクチンは増量したにもかかわらず、1回のみの接種では有効率は低く、従来からの2回接種が推奨されています。
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