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2016年に百日咳の新しい抗体測定法(百日咳菌-IgM抗体、IgA抗体)や百日咳菌の高精度検出法であるLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法が新たに保険収載されたので、小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017版では百日咳の診断基準が大きく改定されました。また、この診断基準が簡便に使えるように検査実施フローチャートも改定されました。
百日咳の診断は、臨床所見である程度絞り込み、百日咳菌の気道からの検出あるいは百日咳菌関連の血清抗体価の有意な上昇を確認して診断します。培養は感度があまり良くないが、LAMP法は感度・特異度ともに非常に優れています。発病して4週間以内であれば、特に百日咳菌に有効な抗菌薬を処方されていないかぎり、LAMP法はほぼ陽性となります。しかし、発病して4週間をこえると気道の菌量が減少するため、LAMP法でも検出できないことが多くなります。このため、発病4週間をこえた場合には、百日咳菌-IgM抗体・IgA抗体・PT-IgG抗体価の診断価値が相対的に高くなります。血清抗体価は、単血清での評価が難しいため、できるだけペア血清で診断することが望ましい。
結核患者から他の人に結核が感染する危険度を規定する因子として、感染源の排菌量、咳の激しさ、接触した時の距離、接触の時間、接触した部屋の広さ、換気の状況、在室の時間、感染を受ける側の免疫状態などが挙げられます。
特に、結核患者の結核菌排菌量と咳の激しさが大きな意味をもちます。結核菌排菌量は、喀痰塗抹検査の結果を参考にします。塗抹陽性の喀痰には7000個/mL以上の結核菌が含まれているといわれ、感染性が高いといえます。
感染危険率は塗抹陰性かつ培養陰性を1とした場合、塗抹陰性かつ培養陽性で2倍、塗抹陽性では10倍といわれています。
肺結核の診断には基本的に連続3回の喀痰検査が必要です。その3回の検査結果のうち、最も重い結果に基づいて診断や接触者健診などを行うことになっています。
結核患者の咳やくしゃみによって結核菌を含んだ飛沫が空気中に飛散すると、飛沫は乾燥して水蒸気を失い、内部にあった菌体が空中に浮遊することになります。これを飛沫核といいます。また、飛沫核が吸入されることによって結核感染が広がることを飛沫感染(空気感染)といいます。同様の感染形式で広がる感染症として、麻疹と水痘がありますが、飛沫によって感染する疾患の代表はインフルエンザです。
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