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ノロウイルスは、冬季を中心に流行する感染性胃腸炎の主な原因として知られていますが、近年、調理従事者等による食品の二次汚染が原因と思われるウイルス性食中毒が増加傾向にあります。
ノロウイルスは手指や食品を介して体内に取り込まれ、腸管で増殖し、糞便および吐物中に大量に排出されます。ノロウイルスの排出は症状消失後も数週間にわたり継続すること、不顕性感染者が一定数存在しており、発症者と同様に糞便中からウイルスが検出されることが明らかになっており、新たな感染源となる可能性が指摘されています。
カルプロテクチンは、主に好中球や単球から分泌されるカルシウム結合タンパク質であり、炎症が生じている腸上皮では好中球がカルプロテクチンを放出していることが知られています。比較的安定であり、便中のカルプロテクチン濃度と腸管内の炎症の程度とが相関することから、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の診断マーカーとなります。
測定方法:ELISA法モノクローナル抗体を用いたサンドイッチ酵素免疫測定法
検査材料:便
基準値:カットオフ値240μg/g
糞便中のカルプロテクチンが陰性であった場合、潰瘍性大腸炎が寛解であると判定する補助となります。
ヒトロタウイルス(HRV)はRNAウイルスであり、冬期に発生するウイルス性下痢症の中では最も重要な病原体です。小児に好発し散発例が乳幼児を中心にみられるのに対し、保育所や小学校では集団発生がおこることがあります。
ロタウイルスの初感染は、母親からの移行抗体のなくなる生後6ヶ月から2歳半ぐらいに発症し、その後も感染を繰り返しますが重症になることがほとんどなく、2歳半以後に急速に抗体保有率は上昇し、成人の保有率と等しくなってきます。
流行時期は、我が国では11〜3月までの冬期ですが、夏期にもまれに発生することがあります。ほぼ48時間の潜伏期間をもち、腹痛、嘔吐、発熱などに続いて下痢を起こします。下痢便は通常、水様〜粘液性で白色のものが多いが、血便や消化不良を示す緑色便がみられる場合もあります。下痢は3〜4日続きウイルスの便中への排泄はその後数日続きます。
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