トリクロル酢酸TCA 対象物質トリクロルエタン

有機塩素系溶剤の代謝物。総三塩化物とともに塗装、洗浄に用いられる有機溶剤の暴露指標。

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トリクロル酢酸TCA 対象物質トリクロルエタン

トリクロル酢酸(三塩化酢酸)は、1・1・1-トリクロルエタンやトリクロルエチレン、テトラクロルエチレンなどの尿中代謝物です。
塩化不飽和脂肪族炭化水素の一種で、産業衛生上生物学的モニタリングの対象となる有機溶剤であり、主に洗浄、塗装、ドライクリーニングなどの領域で使用されています。
1・1・1-トリクロルエタンは別名メチルクロロホルムともいわれ、印刷工場などで溶剤として用いられており、生体内に入るとまずトリクロルエタノールになり、部分的酸化によりトリクロル酢酸を生じます。

トリクロルエチレンも溶剤として使用されており、吸入により吸収されるが液状のものは健康な皮膚に浸透します。発癌性があるといわれており、主にトリクロル酢酸とトリクロルエタノールに代謝されます。アルコールの摂取などで三塩化酢酸の生成が部分的に抑制されることがあります。尿試料の採取は、職業的暴露指標に用いる場合は週の最後の2回の勤務時が適しているとされています。
テトラクロルエチレンは麻酔作用と刺激作用を有し、肝および腎に対しトリクロルエチレンより強い毒性があります。80〜100%近くが呼気中に排泄され、ごく少量(約2%)が主に総三塩化物として尿中に排泄されます。

検査材料:尿
測定方法:GC
基準値:単位(mg/l)
※産業衛生関連検査としての基準値・分布区分はこちら

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