主な測定法の概説S〜V

SBPA、SRID、TIA、TLC、TMA、TRAP、UV、VDRLについて簡単に説明しています。

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主な測定法の概説S〜V

SBPA:結合蛋白サンドイッチ測定法
Sandwich Binding Protein Assay
測定物質に対する結合蛋白をマイクロタイタープレート上に固相し、
それに被検検体を反応させて結合蛋白と測定目的物質を結合させた
後、さらに酵素で標識した結合蛋白を反応させてサンドイッチ状の
複合物を形成させます。それにテトラメチルベンチジンおよび基質
の過酸化水素を加えると発色します。これを適度な波長で吸光度測
定し、検量線より濃度を読み取ります。

SRID:免疫拡散法
Single Radial Immunodiffusion
ある特定の抗原量や抗体価を測定する場合に、それに対応する抗体
や抗原が入ったゲルを用いた免疫拡散板に検体をスポットし、ゲル
内沈降反応により生じた沈降線の直径により被検物質の濃度を定量
します。二重免疫拡散法は沈降線の交差により判定します。

TIA:免疫比濁法
Turbidimetric Immunoassay
被検検体中の測定目的物質に対応する抗体を検体に加えると抗原抗
体反応により、抗原抗体複合物が生成されます。この複合物の濁度
は被検物質の抗原量と相関するため、この濁度を測定し既知濃度標
準物質により作成された検量線により濃度を測定します。

TLC:薄層クロマトグラフィー
Thin Layer Chromatography
表面がなめらかな板状の支持体の上に吸着剤を固定相として塗布し
たもの(薄層プレート)の下端から一定の位置に試料の混合物をス
ポットし適当な溶媒を入れた展開槽の中に入れます。さらに薄層プ
レートを溶媒蒸気で飽和させプレートの下端を溶媒に浸して毛細管
現象により展開溶媒をプレート上に上昇させて試料を展開し、混合
物を分離する方法です。

TMA:Transcription-Mediated Amplification
核酸ハイブリダイゼーションを行う前に測定を目的とするDNAの検
出感度を向上させるために行う核酸増幅法の一つであり、転写介在
増幅法と呼ばれます。目的とするDNAの特異的塩基配列をRNAとして
増幅する核酸増幅法と、増幅したRNA鎖に相補的な化学発光物質標
識DNAプローブを用いたハイブリダイゼーション法を利用した、高
感度な特異的DNAの定量測定系です。

TRAP:Telometric Repeat Amplification Protocol
染色体末端部にはテロメアとよばれる繰り返し配列を含む構造が存
在し、テロメアーゼはテロメアの伸長反応を司る酵素です。試料を
この酵素の供給源とし、試験管内でテロメア配列の伸長反応をさせ、
その生成物を検出することにより試料中のテロメアーゼ活性を測定
する方法です。

UV:紫外部吸光光度分析
Ultraviolet Spectrophotometry
通常、比色法は可視部波長を用いて吸光度により測定しますが、補
酵素がNADHやNADPHの場合は波長が340nm付近の紫外部に最大
吸収を持つので、これらの補酵素が反応系に関与する場合はUV法が
用いられます。

VDRL:Venereal Disease Research Laboratory
脂質抗原を用いた梅毒血清反応の一種であり、ガラス板法はこの方
法を基にしています。不活化した被検検体をガラス板上におき、抗
原浮遊液を加え水平回転器で回転させた後、顕微鏡で鏡検し凝集塊
のあるものを陽性とします。

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