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1型コラーゲン-C-テロペプチド(type1collagen closs-linked C-telopeptide:1CTP)は、骨基質の主要構成蛋白である1型コラーゲンの分解産物です。
骨の1型コラーゲン分子間は両端のテロペプチド領域を中心に、ピリジノリンあるいはデオキシピリジノリンと呼ばれる物質を介して安定な架橋構造を形成しています。
破骨細胞による骨吸収により分解生成し、血中に放出される1型コラーゲンの架橋構造部分を含めた「1型コラーゲンのC-末端側ペプチド断片」が1CTPです。したがって、血中1CTP濃度は骨組織にお
ける骨吸収量を反映する指標と考えられます。
骨吸収状態の評価は、特に骨量減少をきたす種々の代謝性骨疾患の病態把握に重要であり、実際、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、胃切除例、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症などの疾患に血中1CTPの上昇が報告されています。ただし、血中1CTP値は腎機能の影響を受け「GFR<50ml/min.」で高値化するため、判定に注意を要します。
また、前立腺癌をはじめとする悪性腫瘍患者の血中1CTP濃度は、骨転移を有する症例で高率に異常高値を示すことが知られており、骨転移の有無の診断や治療効果の判定に有用です。
なお、血中1CTP値に著明な年齢差・性差は認められず、同じ1型コラーゲンのN-末端側代謝産物であるNTx(1型コラーゲン架橋N-テロペプチド)が骨吸収亢進を呈する閉経後女性で高値となる点と
異なります。(骨粗鬆症の生化学的マーカーには適さない)
検査材料:血清
基準値:単位(ng/ml)5.5未満(骨転移判定のcut off値)
測定方法:RIA(ニ抗体法)
高値を示す病態
癌の骨転移(乳癌、肺癌、前立腺癌)、副甲状腺機能亢進症、
甲状腺機能亢進症、胃切除例、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症
慢性腎不全
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