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癌細胞において細胞の悪性化により糖鎖合成不全を生じ、その前駆
体が蓄積することはよく知られています。その一例としてシアリルTn
抗原(STN)の存在が挙げられます。
STNは、アミノ酸であるserineあるいはthreonineと糖鎖がO-glycoside
結合したムチン性糖蛋白の前駆体構造「Tn抗原」の末端(母核糖鎖)
にシアル酸が付加されたものです。Tn抗原末端がシアル酸に修飾さ
れると、正常細胞に見られるようなその後の糖鎖合成が伸展せずに
STNが細胞内に蓄積し、一部は血中に流出すると考えられています。
母核糖鎖に属するSTNは、CA19-9やシアリルLex-i抗原(SLX)のよ
うな従来臨床応用が進められてきたT型ないしU型の基幹構造を有
するN-glycoside結合型の糖鎖抗原に比べ、より初期段階の糖鎖合
成異常に由来する腫瘍関連抗原であり、良性疾患における偽陽性率
が低く、癌特異性の高い点で注目されます。
当初、血中STN値の異常については卵巣癌に高い陽性率を示すとし
て多くの報告がなされ、臨床的意義を認められてきました。また、
最近になって術前STN陽性例が陰性例に比して予後不良であり、そ
の予後を推定する独立した因子であることも明らかになっています。
婦人科領域以外の癌では特に再発胃癌に高い陽性率が得られており、
再発予知マーカーとして期待されます。
検査材料:血清
基準値:単位(U/ml)45.0以下
測定方法:RIA(ビーズ固相法)
高値を示す病態
卵巣癌、子宮頚癌、胃癌、胆道癌、膵癌
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